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顔を上げ明るくそう言うと、用事があるらしくすぐ練習室を後にした。白いA4サイズの紙が彼の手の中で苦しそうに歪められていた。
でも結局、彼の名前は最後の最後まで挙がることは無かった。新しいメンバーをあとから発表していくシステムでデビューしたけど、その後もその名前はシズニに知られることなく、俺らはデビュー5年目を迎えた。
薔薇のように独りで異彩を放っていた彼は、しばらく練習生として会社に残っていたけど気がついた時には姿を消していた。マクヒョン曰く、「退社させざるを得なかった」とマネヒョンが言っていたらしい。
赤い薔薇というよりは、青い薔薇だった。その見た目、仕草、存在感に心惹かれるものがあるけれど、実際にその姿を見たことがある人はいないような、そんな存在。
俺が彼について知っていると言えば、年齢と、誕生日と、性別と、見た目。あと少しの性格。
好きなものも、やりたいことも、心の底からの本心も。何も俺は知らなかった。それに気がついたのは最近のことだ。
ジェミナが倒れて、翌日に復活した。あんなに体調が悪そうだったのにすぐ活動に戻るなんて、会社も酷いことをするなと思った。だけど、何か少し違う気がして。初めはそれが体調の変化によるものだと思っていたけど、それじゃ済まされないくらいの違和感だった。
少し前にみんなでお酒を飲んでいてAの話が出た時のことを思い出す。あの時、ジェミナはすごく苦しそうな顔をしていた。
「…ロンジュナ、俺」
「ん？ どうしたの」
「…ううん、なんでもないや」
ジェミナって微笑むのがこんなに下手だったっけ。嘘をつくのがこんなにもぎこちなかったっけ。
…そもそも、目の前の人間は本心を言ったことがあるんだっけ？
嘘というのは、本心が分かっている時に存在を表すもの。光と影のような関係だ。
自分は、この人間の揺らぐ瞳と不自然に上げられた口角に、嘘を見出した。でも、どれが本心かなんて分からなかった。
「待って、ジェミナ」
「俺、病院行かなきゃ」
「待って、数分でいいから」
黒い瞳を揺らがせて、凄く不安そうな顔をして。それは、7年も一緒にいた人間に向ける顔じゃなかった。
何でそんなに逃げようとするの？
俺が今腕を掴んでなかったら、今すぐ玄関に向かってしまいそうに身構えている。その彼に向かって口を開いた。
「…何を隠してるの？」
細い肩が、微かに揺れた。
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ジュン(プロフ) - えみさん» 3月から4月への変わり目は特に忙しいですよねTT お気になさらないで下さい！お疲れ様です😊 了解しました！では私の方からえみさんの方にメッセージを送らせて頂きますね！ (2022年4月4日 23時) (
レス) id: 2f0aad5d81 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - ジュンさん» 月末月初で忙しくしてました😭返信遅くなりごめんなさい。。色々と調べていただきありがとうございます！ご提案いただいた方法で大丈夫です。ありがとうございます！ (2022年4月3日 17時) (レス) id: 9192d71aff (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - えみさん» えみさんと私の間でしか見れない内容で会話をすることができるようです。ですので、その方法でも宜しいでしょうか？気になることや不安なことがありましたら気軽に言ってくださいね！💚 (2022年3月31日 4時) (レス) id: 2f0aad5d81 (このIDを非表示/違反報告)
ジュン(プロフ) - えみさん» いえいえ！お気になさらないで下さい！お声をかけてくださった事をとても嬉しく感じていますから😊調べてみたところ、プロフを作っていれば使えるこみゅ(COMMU)のメッセージ機能を使うと、 (2022年3月31日 4時) (レス) id: 2f0aad5d81 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - ジュンさん» こちらこそご迷惑をおかけして申し訳ございません。素敵な作品をありがとうございます🥺 (2022年3月30日 19時) (レス) @page8 id: 9192d71aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジュン
| 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/baekotowhani/
作成日時：2022年3月27日 23時
