Myosotis scorpioides【A3!】 (ページ30)

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にじゅうはち㌻ページ30

急速に体が冷えて、顔が真っ青になっていくのが自分でも分かる。

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私...とんでもない事をしてしまったのでは...？

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「ごっ、ごめんなさ_____」

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殴られる覚悟で、思っ切り頭を下げようとすると____

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「オレもお前みたいな素人なんて、絶対認めないからな！！」

私って、意外と短気なのかな。

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「別に貴方に認められなくたって良いです！！」

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頭ではダメって分かってるのに、気づくとまた言い返していた。

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「帰る！！こんな奴といると腹が立って仕方ない！」

「...もう来なくていいです！！」

「何だと！？」

「ちょ、ちょっと...！」

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頭では冷静に考えていても体が言う事を聞いてくれなくてケンカが続く私達に手がつけられず、お手上げ状態のいづみさん。

いや、いづみさんだけでなく誰にも手がつけられなかった。

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こんなことしちゃいけないのに。

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分かっているのに、止められなかった。

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結局最後までケンカは収まらず、最終的には皇天馬が大股で「くそ！！」と呟いて劇場を出て行った。

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荒々しく閉められたドアの音に、びくりと肩を揺らす。

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ま、またやって、しまった...。

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最低だ、私。

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「...ご、ごめんなさいみなさん。ご、ご迷惑を、...」

泣きそうになりながら、震える体を何とか動かしてみんなの方を振り向くと

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「Aちゃんって、あんなにハッキリモノ言えるんだね...！」

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怒っていると思っていたいづみさんが、むしろキラキラと新しいものを見つけたような瞳で私を見ていた。

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「え...？」

予想外の返答に、拍子抜けしてしまった私は間抜けな声を出すことしか出来なかった。

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「Aさんって大人しそうなイメージだったから、意外だった！」

「...女って怖い」

「まさに、人は見かけによらずだね」

「アンタが言うか」

春組の人達の方を見ても、引くことなく笑顔でこちらを見ていた。

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「わ、忘れて、ください...！」

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私は急速に熱を持った頬を隠すように、手で顔を覆った。

そして、あっという間に時は過ぎ__問題の土曜日がやってきた。