にじゅうなな�� ページ29
「おい素人」
「っ、へっ...？私ですか...？」
「お前以外どこにいるんだよ」
.
いきなり声をかけられ、びくびくと怯えながら返事をすると今度は鋭い目つきで睨みつけられた。
.
私の名前、素人じゃないんだけどな...。
.
なんて心の中で思うけど、こんなに睨みつけられては反論なんてとても出来ない。
私は素直に黙って、引き攣る顔をなんとか平常に戻そうとする。
.
.
.
「な、なんでしょうか...」
一応、精一杯の作り笑いで皇天馬に言葉を投げるとその言葉を跳ね返すように皇天馬の眉にシワがよる。
.
「この劇団にお前が入っていようが別に構わないけど___
オレの足を引っ張るような事だけはするなよ」
.
低い声で呟くように紡がれた言葉。あまりにも自分の事しか考えていないような発言に、呆れる反面怒りが沸々と湧いてきた。
.
.
な、なんなのコイツーーーーっっ！！！
.
思わず、拳を握りしめて一瞬だけ彼を睨みつけると
.
「何だよ、その不満そうな目は」
みるみる皇天馬の顔にも、不機嫌さが滲み出てきた。
.
だけれど、私の怒りは止まる事を知らなくて。
.
.
「何なんですかさっきから！！！私、あなたみたいな自分勝手な人絶対認めませんからっ！！」
.
.
.
____やばい、と思った時にはもう遅い。
.
しーん、と場内が静まり返る。
.
私...！芸能人になんて事を言ってしまったんだ...！！
.
.
サーっと顔から血の気が引いて、震えが止まらなくなった。
.
皇天馬の顔をおそるおそる覗くと、...案の定ご立腹。
あ、謝らなければ...！！なんて想いは彼の次の言葉で粉々に崩れ去ることになる。
「は？___お前、誰に向かってそんな口聞いてるんだ」
「なっ...！貴方にですけど！？皇天馬さん、貴方もうちょっと周りのこと考えたらどうですか！」
「あぁ！？素人の癖に生意気な奴だな！！」
「素人は今関係ないでしょ！！」
皇天馬の言葉でまた怒りに火がついた私は、彼の声に負けないくらいの大声で反論する。
.
.
「ちょっ、ちょっと二人とも落ち着いて...！」
いづみさんの声に、ハッと我に帰る。
.
.
や っ て し ま っ た
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 558人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：オムライス.? | 作成日時：2017年2月26日 20時
