FILE.38 疲労と反省と憂鬱と ページ38
ーー飯田橋sideーー
カランカラン...と音を立ててポアロのドアが閉まる。
時刻は14時過ぎ。
休日ということもあって、元々車通りの多いこの道は、より一層賑やかで、少しだけ生きづらさを感じる。
特に用もないので、蘭ちゃん達にはお礼を言い、とりあえず自宅に帰ることにした。
本当はもっとコナンくんとも話してみたいし、憧れのこの街を回りたい気持ちもある。
しかし、この見た目の22歳が暇を持て余したようなフットワークの軽さを見せてしまっては、''とっても賢い彼ら''に疑われるだけだ。
自分でさえ自分が何者なのかわからない今、
行動に慎重さを欠くことは、場合によっては命に関わる可能性がある。
米花町とはそういう場所である。
わかっていながら、デパートであんなことをしてしまったのは____
一時の高揚と謎の自信からであったが、多分、火事場の馬鹿力とはこういうことを言うのだと思う。
馬鹿の部分をしっかりと反省しないとな...
自分の言動を振り返り、たまに目を逸らしながら、
慣れない帰路を気持ち早めに歩く。
...なんだか、他人の人生を勝手に操作している気分。
自宅の扉を開け、それが閉まった途端、
さっきまで気配もなかったような重い疲れがどっとのしかかった。
重い荷物を両手に抱えながら歩いてきたことを疲れたと表現したわけではない。
精神的にも身体的にも頑張りすぎた気がする。
どこでも素の自分を出していないからか?
そもそも、素の自分という単語にすら違和感を覚える。この身体とは1日2日の付き合いで、考え方すら本当に自分のものなのかわからない。
いや、もういい、考えても答えが出ないことは知っている。
とにかく今は_____
考えることを放棄して、目の前の唯一の救いとも言えるベッドに飛び込んだ。
着替えもせずに横になってしまったが、早く眠りにつきたかった。
本当に疲れた......
___________
___________
___________
________時計の針の音すらない一室。
自然と目が覚めた。
カーテンのない窓から外を眺めると、既に辺りは暗く静まり返っていた。
かなり長い時間寝ちゃったな...
疲れは取れたはずなのに、むしろ寝る前よりも身体が重い気がする。
暗い外とは対照的に、昼に電気をつけてそのままになっている明るい室内。
そうだ、時間...
まぶしがりながらスマホで時間を確認すると、20時58分と表示されていた。
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Ohata(プロフ) - いや 私には700ヤード先の直径1cmの的にピンポイントで弾を食らわせる超人スナイパーに見えます。 現場からは以上です。 ←まじ笑いましたwww (10月9日 10時) (レス) @page6 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2021年4月4日 11時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年3月28日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 星来さん» コメントありがとうございます。通知付けして頂き、とても嬉しく思います!頑張ります。 (2021年3月15日 23時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。私は何とも幸運なことに昨日こちらの作品を見つけまして、更新の望みをかけて通知付けさせて頂いたところで、再開のお知らせを新参ながらとても喜ばしく思います。コナンの沼におかえりなさい!!!楽しみにお待ちしてます! (2021年3月15日 16時) (レス) id: 4e1206599e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+G | 作成日時:2019年4月27日 22時