FILE.36 繋がるピース ページ36
ーー安室sideーー
『.....。』
__組織用の携帯だ。
ポアロに彼女が来てからは、調理や受付の合間に観察を怠らないよう神経を尖らせていた。
表向きではあるが、
ポアロでの時間はいつもと比べ少しばかり落ち着くことが出来る貴重な時間だ。
だが今はそれさえ出来ないほどに彼女のことばかりに思考を乗っ取られている。
そんな自分もまた、自分の頭に呆れていた。
そんな矢先にかかってきた電話が奴らからだと知れば、ため息のひとつやふたつ出すのは当たり前だ。
携帯を手に取った時には既に呼出音は切れていたが...
『.....随分とせっかちな烏だな。』
着信履歴を見たあと、すかさず折り返した。
________
________
________
________
________「あら、ご丁寧にどうも。」
『数十秒前に自ら掛けてきておいて、随分と焦らしましたね。』
「先に焦らしたのはあなたでしょう、バーボン。」
『...はは、そうでしたね。ベルモット。』
「まあ、震える端末に表示されたあなたの名前を眺めるゲームはそこそこ楽しめたし...。」
『........それで、そんなに急いで何のご要件です?』
「..........早急に調べてもらいたい仔猫ちゃんがいてね。」
この図ったかのようなタイミング。
思い浮かぶ人物は一人しかいない。
『...あなたもあのデパートに?』
「話が早いようで助かるわ。」
『それにしても珍しいですね。あなた自身があのような商業施設に出向くだなんて。』
「あら、レディのプライベートにまで口出しするなんて、どこで品を落としてきたのかしら?」
『おっと、それは失礼しました。』
いや、もしあの場で彼女のことを目撃していたのならば、俺が見逃す訳が無い。
それに、警察からの事情聴取や安否確認に巻き込まれるなんて面倒事は避けたいはず。
......。
《確認したところ、怪我人はいないようです。
人質になっていた女性は既に不在で、
話は伺えませんでしたが...》
.....、なるほど。
そういうことですか。
普通の人なら、突然の出来事に足も動かず、たとえ当事者ではなくとも、状況整理に必死で警察を頼ろうとするはず。
そんな中、人質にされ命を危険にさらされておきながら警察の目を掻い潜り颯爽と帰路に着く...
むしろ警察と関わりたくないといったような行動。
あの会話を耳にした時から違和感があったが、
今やっとピースが繋がった。
FILE.37 緋色の液体→←FILE.35 澄んだ瞳の店員
2361人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ohata(プロフ) - いや 私には700ヤード先の直径1cmの的にピンポイントで弾を食らわせる超人スナイパーに見えます。 現場からは以上です。 ←まじ笑いましたwww (10月9日 10時) (レス) @page6 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2021年4月4日 11時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年3月28日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 星来さん» コメントありがとうございます。通知付けして頂き、とても嬉しく思います!頑張ります。 (2021年3月15日 23時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。私は何とも幸運なことに昨日こちらの作品を見つけまして、更新の望みをかけて通知付けさせて頂いたところで、再開のお知らせを新参ながらとても喜ばしく思います。コナンの沼におかえりなさい!!!楽しみにお待ちしてます! (2021年3月15日 16時) (レス) id: 4e1206599e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:+G | 作成日時:2019年4月27日 22時