FILE.28 小さなナイフと大きな傷 ページ28
『へえ...僕ブランドなんてわかんないや。安室さんって本当になんでも知ってるんだね...』
「それは君が言う台詞じゃないだろう」
『あはは...何それ...。』
「まあ、今はそれよりも彼女の正体が気になる。"あれ"が汚いお金でなければいいんだがな...」
『うーん...』
「ただ、汚いお金でないのならばそれこそ出処がわからない。彼女もまた大きな財閥の令嬢なのか?にしてもSPが一人もついていないのは不自然だし、鈴木財閥の令嬢と面識がなかったのもおかしい。」
顎に手を当て推理する安室さんと、
同じようなポーズで考えを巡らせる。
『.....。』
「腑に落ちないみたいだな。」
『え?』
「思うことがあるのなら教えてくれないか。」
そう言う安室さんを焦らすように、俺はしばらく間をあけてから口を開いた。
『...あの人、命懸けで僕を守ってくれたんだ。』
「名前を呼ばれた時のことか?」
『うん。あの男が持っていたのは小さなナイフだったけど、場所によっては致命傷...即死の可能性だって充分にあった。なのになんの躊躇いもなく....』
「だから一概にクロとは言いきれないと?」
『油断してるわけじゃないよ、でも...もしあの人が組織の人間で、僕のことを知っていたんだとしたら...自分の身を投げてでも僕を守る理由がわからないから...』
「確かに、心の奥底まで冷酷で、決して血に染まることのない真っ黒な奴らには似合わないな。誰かを強く想って守りたいだなんてたいそうな気持ちが芽生える連中とは到底思えない。」
その言葉を聞いて、ふとある人物を思い浮かべた。
ほんと....
『そうだね。』
嘲笑うわけでも自虐するわけでもない感情を鼻で笑う。
本来そういうやつの集まりなんだぜ_____
___ベルモット。
ーー飯田橋sideーー
コナンくんを肩車したまま、徐々に後ろの方に下がって行った安室さん。
何を話しているんだと思いながらも
大体の検討はついていた。
でも残念、私は真っ白。
どれだけ話し込んでも意味は無い。
いっその事正直に言ってしまった方がお互い楽なのかもしれないとも考えたが、なぜか負けたような気がしてならなかった。
まあ、そのままにしておけばいいか...
蘭ちゃん達との会話を適当に進行させながら脳内を整理していると、何度も見た事のある場所に着いた。
「ここです!ここが毛利探偵事務所で...私の家です。って、朝来てましたしわかりますよね。」
『へえ、ポアロのすぐ上だったんですか。』
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Ohata(プロフ) - いや 私には700ヤード先の直径1cmの的にピンポイントで弾を食らわせる超人スナイパーに見えます。 現場からは以上です。 ←まじ笑いましたwww (10月9日 10時) (レス) @page6 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2021年4月4日 11時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年3月28日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 星来さん» コメントありがとうございます。通知付けして頂き、とても嬉しく思います!頑張ります。 (2021年3月15日 23時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。私は何とも幸運なことに昨日こちらの作品を見つけまして、更新の望みをかけて通知付けさせて頂いたところで、再開のお知らせを新参ながらとても喜ばしく思います。コナンの沼におかえりなさい!!!楽しみにお待ちしてます! (2021年3月15日 16時) (レス) id: 4e1206599e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+G | 作成日時:2019年4月27日 22時