FILE.24 見えない陰謀 ページ24
自分の手がナイフの柄の部分を握っていた感覚を確かに思い出し、嫌な予感がよぎるものの、
その予感はコナンくんの言葉で打ち消された。
「ねえねえ、安室さん。」
安室さんの顔を見上げて不思議そうに言う。
「ん?どうしたんだい?」
「安室さんは何しにデパートに来たの?」
「え?」
「だって、デパートに来たのに何も買わずにこうして僕らと一緒に帰ってるから...」
言われてみればそうだ。
安室さんは出口(入口)付近で男を倒したあと、
特に何もすることなく帰路に着いた。
これじゃあまるで男を倒すために送られた戦闘員だ。
「ああ、ポアロで急にハムが切れてしまって、それを買いに来たんだよ。ついでに少なくなっていたキャベツやパンも買おうと思って。」
「へー。」
自ら聞いた割には適当な返事。
「メニューによって使う材料が異なるし、誰が何を注文するかわからないから、必ずしも同じタイミングで無くなるとは限らないんだよ。今日は異例だったけど。」
『異例?』
「遥さんや蘭さん達が帰って少し経ったくらいだったかなぁ。眼鏡をかけたハイネックの"気味の悪い"人が来てね。」
安室さんの目付きがほんのり変わった。
「そのお客さんがなぜか大量にハムサンドを注文してきたから、ハムを使い切ってしまったんだよ。」
「へえ...大量ってどのくらい?」
「うーん。そうだな...親戚でパーティーする時に用意するくらいの量だったかな。お店では1つだけ食べて、あとは持ち帰って行ったよ。」
「ハムサンドだけ?」
「そうだよ。」
「ふーん。」
「でもそれって、お店のピンチですよね?買わなくて大丈夫だったんですか?」
心配そうに蘭ちゃんが言う。
「ええまあ...ですが、あんなことになってしまっては呑気にお買い物をする気にはなれませんよ。オーナーや梓さんには帰ったら事情を話して謝っておきます。」
「飲食業は大変ね〜。あたしだったらそんな大量の注文お断りよ!」
「僕もそうしたかったんですが、アルバイトの身ではどうしようもなくて。」
アルバイトにしては労働量が多すぎる気がするけどね。
ほとんど店員2人でお店をきりもりしてるんだし、もう正社員みたいなものだけど。
お店の利用者の年齢層も安室さんがいることによってぐんと広がったし。
私は無意識に安室さんの顔を見つめてしまっていた。
こんなイケメンいたらそりゃ通うよね。
「あ〜あ、なんか僕、歩くの疲れちゃったなー」
『え?』
「ねえねえ安室さん!肩車してー!!」
「え?肩車?」
FILE.25 疑惑の呼名(1)→←FILE.23 消失したナイフ
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Ohata(プロフ) - いや 私には700ヤード先の直径1cmの的にピンポイントで弾を食らわせる超人スナイパーに見えます。 現場からは以上です。 ←まじ笑いましたwww (10月9日 10時) (レス) @page6 id: 6c4593a5ce (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 舞さん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2021年4月4日 11時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年3月28日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
+G(プロフ) - 星来さん» コメントありがとうございます。通知付けして頂き、とても嬉しく思います!頑張ります。 (2021年3月15日 23時) (レス) id: 2be049e179 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。私は何とも幸運なことに昨日こちらの作品を見つけまして、更新の望みをかけて通知付けさせて頂いたところで、再開のお知らせを新参ながらとても喜ばしく思います。コナンの沼におかえりなさい!!!楽しみにお待ちしてます! (2021年3月15日 16時) (レス) id: 4e1206599e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+G | 作成日時:2019年4月27日 22時