疑われるのは覚悟しておりました【名探偵コナン】※トリップ

FILE.17 城の中の迷い人(4) ページ17

「でもさー園子姉ちゃん。」

「何よガキんちょ。大人の恋に口出しするわけ？」

「そうじゃなくてさ...その京極さんとデートする日って、鈴木財閥に届いたキッドからの予告状に書いてあった日じゃない？」

そういえば、鈴木財閥に怪盗キッドからの予告状が届いたってニュースに書いてあったな。

決行がちょうど一週間後で、京極さんとのデートと被ってるってわけか。


「そうだけど？」

「そんな大事な日に次郎吉おじさんの傍にいなくて大丈夫なの？」

「そりゃあちょーっとは心配だけど...愛する真さんとのデートを潰すなんてことするわけないでしょ！」

園子ちゃんの目はいつもよりまっすぐだ。

園子ちゃんの脳内では、鈴木財閥と京極さんとの間に越えられない壁があるみたい。
うん。素敵。


『彼氏さんも愛されてますね。素敵です！』

「でっしょー！！わかるー？？あたしはこの世界で誰よりも真さんを愛してるって自信を持って言えるわ！真さんはねー...」

と、自慢げに京極さんの良いところをずらずらと話す園子ちゃん。
本当に好きなんだなぁ...
京極さんに聞かせてあげたいよこの会話。

なんてちょっと虚しい気持ちになりつつ階段を降りていると、黒い帽子にカーキ色のポロシャツ、七分丈のズボンを着た男とすれ違った。

あれ？
今の人が右手に持ってたのって...


気のせいかな...



と思ってコナンくんを見ると、
同じように男の人を目で追っていた。

そこでふと、先程見たニュースを思い出した。









《刃物を持った30代の男は未だ逃走...》









脳裏に浮かぶその記事に、背筋が凍った。

もしかして今の.....！！




「きゃあああぁあぁああぁあ！！！！！」









___嫌な予感は的中し、悲鳴が上がる。






上からだ！！



言葉より先に身体が動いていた。

私が荷物を全て放り投げ反射的に階段を登ろうとすると、

「クソｯｯ！！」


と言ってコナンくんも同じ行動に出ていた。


コナンくんも同じようにあの男を怪しんでたんだ。見間違いじゃなかった！！


やはりあの男はニュースに載っていた逃走犯だ！




「あ、ちょっとコナンくん！？」

「お、お姉さんまで！？！？」

そんな蘭ちゃんと園子ちゃんの呼び声を背に、
コナンくんと共に全速力で上へ向かう。




さっきの悲鳴、そう遠くはなかった。
おそらく18.19階あたりのはず。


階段を2段飛ばしで駆け上がる。







17階...違う。







18....いない...









19.....









________いた！

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