ロゼッタ２ (ページ8)

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”あたたかい格好をしていくこと”
という優吾の条件の下、きょもさんと慎太郎くん、ジェシーくんに「こーちも行こう！」と誘われて一緒に来ることになった優吾と私、それからジェシーくんの４人でイルミネーションを見に来た。
クリスマス当日ということもあって、人も多くたくさんの家族連れやカップルで賑わう中、私たちは少し…いや、結構人の視線を浴びている。
それもそうだ。私の周りにいる彼らはどう見てもスタイルはいいし、芸能人のような華やかで目を惹く顔立ちをしている。友達同士で来ている女の子２人組がこそこそと話し、ぼーっとしているようで実は目を輝かせているきょもさんに話しかけている。…けれど、当の本人はイルミネーションに夢中らしい。完全スルーを決め込んでいると、それに気づいたジェシーくんと慎太郎くんが代わりに謝っている。２人の笑顔に目を見開いて耳まで赤くした女の子たちは嬉しそうに笑顔を見せると、ジェシーくんと慎太郎くんに手を振ってどこかへと行ってしまった。

「きょもー？無視はよくないと思うよ」
「何の話？」
「今女の子たちが話しかけてたの聞こえてない？」
「全然。こっちに集中してた」
「集中の使い方間違ってね？」

苦笑いする優吾をジロリと睨むきょもさん。「そもそも女に興味ない」、そう言ってプイと顔を背けてしまった姿を見ていたら、ハッとしたような顔で私を振り返り。

「Aは別」
「え？」
「興味とか抜きにして、Aはいいやつだから別」
「えーと…ありがとうございます？」
「疑問形にするな」
「…バレました？」
「バレバレだろ」

首がくすぐったい気がするから嫌だ、と、マフラーをしていないきょもさんの耳はほんのり赤くて。初めて顔を見て名前を呼ばれたことが嬉しかった私は誤魔化すように笑いながらももう一度お礼を言ったら、さっきみたいにまたプイと顔を背けてしまったきょもさんの背中を笑いながら見てしまった。