ロゼッタ２ (ページ33)

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「この世界で誰よりも、松村さんの味方でいます」
「いきなり？」
「いきなりです」
「…あなたたまに突拍子のないこと言うよね」
「それはすみません」
「謝るんだ、そこ」

整った眉を少し下げて、でも口角は少し上がる。

その顔を見た瞬間(あ、)と思って、
でもその先に出てくるこのそわそわとした感覚の例え方がまだ分からない。

「松村さんには松村さんの事情があることは分かりました。ただ、もし私にできることがあったら絶対に言ってください」

今の自分の顔を見られたくなくて、不自然なまでに逸らしてしまったかもしれない目線。

「できることって」
「誰かに付けられてたらボディーガードします。私だけじゃ頼りないから優吾とか…いや、慎太郎くんとかジェシーくんも呼べば松村さんを守れます！」
「なんか違う方向性に進んでない…？」
「これからも心配します。母親目線だって言われてもやめてあげません」
「いや頑固か」
「って言われてもやめないです。決めちゃいましたもん」
「…まあ、いいけど」
「言いましたね？今いいって言いましたからね！」
「勢いがすごい」
「でしょう？」

元気よく返事をして、笑顔をひとつ。
そうしたら松村さんはフッと微笑んでくれたから、私の心は途端に春の陽だまりみたいにポカポカしだす。
私にも何かできることがあるのだとするなら尚のこと、全力で力になりたいと思うこの気持ちに嘘偽りなんてない。

窓の外の景色には、もうオレンジ色が落ちていた。

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