ロゼッタ２ (ページ22)

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「ロールキャベツ…もう一品は何にしよう」

お昼休みにメニューを検索する時間も楽しかったり、する。あと一品はからあげにしようかな。もちろんサラダも。お味噌はお豆腐とワカメにして…うん、それにしよう。

デスクの上にあるミルクティーを見つめながら、松村さんが朝何か言いたかったことを自分なりに考えるけれど、結局は分からなくて。
でもそりゃあそっか。私は私でしかないのだし、松村さんのことは松村さんにしか分からないのだ。

『付き合うよ、買い物』

だから、松村さんからそうLINEが入った時は嬉しかった。
あの時何か言いかけたことを話してくれるきっかけになるかもしれないって。

「お先に失礼します！お疲れさまでした！」
「はーい、お疲れ様」

定時ぴったりに鞄を抱えて立ち上がり、上司に挨拶をして会社を出る。

待ち合わせ場所は家から最寄りの駅前のスーパー。足早に改札を抜けて、待ち合わせの時間まであと30分以上もあることに気付いて自分に苦笑い。
張り切ってるみたいで恥ずかしい。ただの買い物なのに。
前髪を直しながら買うものを頭の中で整理しながら松村さんを待つ。
きっと言われるだろうなあ、早く来すぎじゃない？って。そう言われたら誤魔化そう。
そう決めて待っていた。

けれど、待ち合わせ時間になっても松村さんは来なくて。何かあったのかもしれないって連絡を取ろうと電話をかけたけれど、途中でそれは切れてしまう。

(何かあったのかな…仕事が忙しいとか？)

指名が多くて予約を取るのが困難だってジェシーくんが教えてくれたのを思い出して、きっと忙しくなってしまったんだと腑に落ちる。

それから30分待ってみたけれど松村さんは来なくて、連絡もない。
一人で買い物をするのには慣れているけれど、何故か私の頭の中は不安という文字で溢れそうになっていた。

▶︎ きっとあなたは来ない完