ロゼッタ２ (ページ14)

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『今も髙地のこと好き？』

昨夜樹くんに言われたことを頭で何度も繰り返し思い出しているうちに、気付いたら朝になっていた。
なんとなく寝ていたような、ずっと起きていたような、よくわからない感覚。

優吾のこと、私は今も好きなのだろうか。
そう問われたら、もちろん好きだと答える。
だけどそれは昔のような関係に、恋人として、異性としてどうかと聞かれたらどうだろう。

『昔も今も、俺にとってのAは変わらないし変わるはずない』

そう言ってた優吾は、私のことをどう思っているんだろう。
優吾は。私は。

難解な事件のように迷宮入りだとお手上げの時、枕元の携帯が震える。

本年もお世話になりました。来年もまたよろしくお願い致します。

「もう大晦日かぁ…」

ベッドの中、律儀にも後輩からきた挨拶のメールを見て日付を確認。明日になればまた新しい年がやって来る。一年って日に日にあっという間に過ぎていくものなんだなぁ。

同じように来年もよろしくね、と返信をしてからもう一度毛布を頭から被る。
今日は大晦日、いつもみたいに早起きをしなくてもいい。松村さんも昨日が仕事納めで今日は実家に帰るんだろうし、樹くんは昨日の夜に実家に行くからと先に出て行ったのを見送ったし、
ジェシーくんは明日顔だけ出しに行くって言ってたから今日は家にいるんだと思う。
優吾は午後から洗車しに行くって言ってた。慎太郎くんは卒論がようやく終わったから昼過ぎに起きて掃除するって言ってたなぁ。
私ももう少しだけゴロゴロしてから掃除をしよう。
あ、そういえばきょもさんはどうするんだろう。慎太郎くんは『きょもは帰らないよ』って言ってたから家にはいるんだろうけど、バイト先の大掃除にでも行くのかな。
ぼんやりしながら考えていると、突然ガチャリと部屋のドアが開く。
びっくりして慌てて飛び起きると、そこには私服姿のきょもさんがいて私を見るなり「あ…」と口を開いた。