さよなら、ジュリエット 2 (ページ7)

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＂香水をプレゼントするということは、プレゼントする相手への独占欲。または好意があるという現れから自分の好みの香りを贈るという意味もあり……＂

携帯の画面を見て固まる私。
そんな私を見てにたりと笑う樹。

ちらっと樹を目だけで見上げると、「どうだった？」と意地の悪そうな笑みを浮かべている樹と視線が絡む。

「どうって、」
「気づいてないと思うけど、お前今耳めっちゃ赤いよ」
「……うるさいなぁ」
「そもそも気付くの遅すぎ」
「気づくも何も…」
「うん」
「……私は、樹にとって恋愛対象外の人間だと思ってた」

ずっと隣にいたのに、多分他の女の子の誰よりも私の方が自分を知ってる。
つもりだった。

それはまるで昨日北斗が言っていたことと同じで、自分だけがそう思い込んでいた。

私は恋愛対象外の人間だって信じて疑わなかった。
だって樹の隣にはいつも違う女の子がいたし、どの女の子も可愛くて美人なのに、その女の子達には到底適わない私の容姿じゃ異性として見られていないのは当たり前だと思ってたから。
だから樹はあくまで私を友達として見てるんだと思っていた。

……思ってたのに。

「最初はそうだった。でも今は違う。今は、その告ってきたヤツなんか選ぶなよって思ってる」

今までへらりとしていたくせに、いきなり真剣な目をして私を見るからどうしたらいいか分からなくなる。

「俺のにしたいけど、鈍すぎてムカついたからせいぜい意識しとけって事で」
「…なにそれ」
「今はやめた方がいいって言ったじゃん。まだ分かんない？」
「それは……」

そもそも俺のにしたいってなに。
その前に、いつからそうだったの。
聞きたいことがたくさんあるのに、うまく口が回らない。