さよなら、ジュリエット 2 (ページ6)

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「そいつのこと好きなの？」
「…分かんない」
「なんで」
「今までそういう風に考えたことなかったから」
「あー…お前師匠のことしか見てこなかったもんな」
「一途って言ってよ」

そう言ったら樹はなぜか困ったように肩を竦めてため息をついた。

「それは知ってんだけど、なんつーか」
「なに？」
「不満」
「だから何が」
「…もうマジでさ、なんでこんな鈍いのこいつ」

ますます意味が分からない私と、そんな私を見て呆れ返る樹。
最近の樹はいつもこう。何かをはぐらかすみたいに誤魔化してくる。

「鈍い鈍いって言うけどね、私本当に分かってないからね」
「威張って言うことじゃねぇ」
「なら聞くけど、香水くれたことと関係してるの？」

前に樹に言われたことを思い出して口にしてみる。
そしたら「調べた？」って聞かれたから首を振ったら、「お前マジかよ」ってやっぱり呆れた樹がいて。

「なら今調べる！」って意気揚々と携帯を取り出して＂香水＂の文字を打った時、「今はやめた方がいいんじゃない」って頬杖をついている樹が私を見ながら言った。

「なんでよ」
「俺は別にいいけど、多分お前俺のことまともに見れなくなるよ」
「その自信がもうすごい」

意味が分からないまま香水をプレゼントする意味と打って検索をかける。