Feather (ページ47)

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これからもページ47

二人を見送ったあと私たちも正門を出て駅に向かう。
電車に乗ったらいわゆる帰宅ラッシュに揉まれている私たち。繋いでいる手に力を込めた樹くんが、「大丈夫？」と声を掛けてくれる。
いつだって優しい樹くんに私は「大丈夫だよ」って答えたら、樹くんは私の額におでこをつけて「うん」とうなづく。

樹くんに守られながら電車を降りて家までの道を歩く途中、ふと夜空を見上げていたら樹くんが足を止める。

「どうしたの？」
「…考えてたんだけど。俺さ、Aと同じ大学受ける」
「えっ」
「これから先もAのこと一番近くで見れんのは、もうそれしかねーなって。北斗もいるし。なんか悔しいじゃん？…分かってよ、俺わりかし独占欲強いの」

繋いでいる手にぎゅっと力が込められて、愛しいってこういう事を言うのかなってまだ子どもながらに思う。
樹くんとは違う大学に行くとばかり思っていたから、同じ大学に行くと決めてくれたことが素直に嬉しい。

これからお互い大学を受験するからいつかみたいに二人で出掛ける回数は減っていくだろう。
それでもその先にある未来で、私たちは今よりももっと一緒にいれる日々が必ず待っているから。

「私も樹くんと離れたくないから嬉しい」
「あー無理だわ。このまま家連れてっていい？」

いつものように悪ふざけをする樹くん。毎回恥ずかしくて慌てふためく私を見て、樹くんが冗談だよって言うのが普段のやりとり。
でも、今は。
今日は何故か素直にうなづくことが出来る。びっくりして目を丸くする樹くんに味をしめた私は背伸びをして彼の頬にキスをすると、樹くんは嬉しそうにヘらりと笑って私を抱き締めてくれた。