Feather (ページ23)

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「…当分甘い物はいいわ」
「最初は乗り気だったのに」
「今日は行ける気がしたんだよ」
「そういうテンションでいくような性格だったっけ」
「うるせぇな」

笑いながら夕暮れの空を見上げる北斗に私も笑って答える。

パフェで有名なお店に行った北斗と私だけど、北斗が注文したのはお店の名物であるメガタワーパフェ。
普通のパフェの4倍はある大きさのそれを注文したことにびっくりしていたのに、いざ目の前に置かれたメガタワーパフェはその倍大きく見えた。

あえてアイスティーだけ注文してた私に固まっていた北斗が「ヘルプ頼むわ」と言ってきた時点で笑いそうになったけど、色んな話をしながら美味しいと食べすすめていく内にパフェを完食した私たち。
特にあげる場所もないのにテーブルに運ばれた時はお互い写真を撮ってみたりして、昔みたいに笑い合えたことがシンプルに楽しかった。

「ねえ北斗、聞くまでもないけど学校はうまくやれてるの？」
「別に普通。てか俺に聞いてるお前の方が問題だろ」
「私は…まあ、もう慣れたよ」
「慣れるんじゃないよ」

分かってる。北斗はただ私を心配してるだけだって。
私がずっと北斗からの連絡を返さなかった理由もそこにあった。
心配性の北斗のことだから、学校が違ったとしてもまるで身内のように気遣ってくれる人だと知ってるから。

「あのさ」
「うん？」
「Aはどうなの。本当にそこでいいのか、俺はずっと気になってる」
「いいも何も、私の居場所は今の学校だよ？」
「…本当は違うだろ。あれがなかったら俺ら今もきっと一緒だった」
「…北斗、」
「…納得、できねぇよ」

顔を顰めた北斗にかける言葉を必死にさがしてみる。

中学三年の受験の日、私は遅刻をした。