Feather (ページ17)

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「なあ」
「ん？」
「……学校、うまくやれてんの？」
「………うん」
「随分間があったけど」
「…うちはカースト制だから」

そう答えて歩き出すと、北斗は後ろから私の左手を掴む。

「どうしたの？」
「……お前は落ちこぼれなんかじゃない」
「…落ちこぼれだよ」
「違う。あれは仕組まれてただけだ」
「北斗」
「あんな事がなかったらお前は…」
「…いいんだよ」
「A…」
「いいの」

北斗の手を話しながら笑顔を作る。

…大丈夫、きっとうまく笑えてる。

察しがいい北斗は何も言わない。
その代わり苦しそうに顔を顰めて、離れた私の左手をもう一度掴む。

「ほく」
「A、俺言ったよな。俺は諦めてないって」
「……そう、だね」
「待ってる」
「……………」
「待ってるから」

絶対連絡してこい。
そう続けた北斗に、私はただ黙ることしか出来ない。
ぎゅっと力が込められた手。
あの頃と変わらない優しい体温に涙が出そうになる。

待ってる。
北斗のその言葉の意味を分かってるからこそ私はーーーー

「何してんの」

泣きそうな顔で北斗を見ていたら、聞きなれた声がした。

「…だれ」
「それはこっちのセリフなんだけど」

田中くんは眉をぐっと寄せて北斗を見る。
二人とも普段の姿を知っているからこそ、このピリピリとした空気が息苦しい。

田中くん、彼はね
そう言おうとしたら、目線を落とした田中くんが北斗に掴まれている私の手をぱっと剥がす。