オレンジパラドックス３((Daiki.A))

＊ ページ8

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出勤時間が遅かった分、昼休憩を迎えるまでは、いつもより早かった。



携帯を開くと、彼からのメッセージが数件。





“怒らせてごめん”



“許してくれなくてもいいから、聞いてほしいことがあるんだ”



“今日の夜は帰ってくる？”





冷静になった今、自分が怒ったことを自覚した。



私にも非があるのに、これじゃ彼だけが悪いみたい。





まだ結局謝れていないんだ、連絡しなかったこと…


隠し事とかその話以前に、

まずは連絡をしなかったことをきちんと謝って、お互いに理解し合わなきゃいけない。


それに大貴に彼女がいるなんて、断言されていないんだ。

決めつけすぎてるんだ、私は。

彼の話くらい、聞いてあげなきゃいけないんじゃないか…



朝よりも落ち着いた感情と思考で

今更ながら、今朝、感情的になってしまったことを反省した。






“帰るよ”


“朝はごめんなさい”


“上手く連絡を取り合えなかったことも、ちゃんと話そう”




そうトークルームに残して、画面を閉じた。




彼のことが好きだからこそ、仲直りしたいと思った。



何か隠してることを知っても、それが女の人のことじゃないって少しでも信じたかった。




好きって言ってくれたことが本当の気持ちだって信じたかった。









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だけどそんな気持ちは簡単に



潰された。

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