オレンジパラドックス３((Daiki.A))

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大貴「大丈夫」




ぎゅっと効果音が鳴りそうなくらい、
彼は私の手をしっかり握りしめた。



その時不思議と、魔法みたいに緊張が解けた。




大貴「話せそう…？」


『うん』




息を大きく吸って、吐いて。


もう一度、話し始めた。





『最初の彼氏には、重すぎて無理って言われて、

その次の彼氏には、軽すぎるって言われた。



重いって言われたから気をつけたはずなのに、2度目は軽いって言われて、

そしたらもうどうすればいいかわかんなくなっちゃって。


男の人を好きになるなんて、もうないと思ってた』





今でも覚えてる。


キャップから覗いたキラキラした目を。



彼氏と別れた1ヶ月後、断ち切れない気持ちをずるずる引きずってたあの頃。



突然現れた、救いの手。





『でも大貴のこと、好きになっちゃったから』



簡単に人を好きにならない。

そう決めたのに、

気がつけば彼の虜になってた。





『好きになっちゃったから、不安で仕方なかったの。

浮気されてるかはもちろん、また重いとか軽いとか言われないかなって』





そこまで私が言い終えると、彼は立ち上がった。


それに連れられて引かれた手に、私も立ち上がる。




突き刺すような寒さの中、

ビルに挟まれた夜の公園、

ふたりきり。




彼の方が少しだけ、背が高かった。

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