オレンジパラドックス((Daiki.A))

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大貴「…住んでほしいから」




初めて聞いた優しい声と、

想定外の言葉に、


私の心は揺れ動いた。




『…え、』




振り向いた先、

彼の黒目は私を写して。




そのまっすぐした目に、嘘なんてなくて
出て行こうとした気持ちは消された。




大貴「住んでほしいから住めって言った」

『……大丈夫なんですか』

大貴「大丈夫だから言ってんの。責任は全部俺がとる」





なんで住んでほしいのかはわからないし、
その言葉が本当なんて保証はどこにもないのに


その言葉を信じてしまった私は、
住んでみてもいいかな、なんて
彼との同棲生活を少しだけ望んでいたりして






大貴「…いい？」

『…はい』




彼の正体はもうわかった。


危険なことはされないってもうわかったから、
断って出て行くことだってできるのに、


私は断らなかった。





大貴「色々決めないとね」



そして彼に連れられるまま、


オムライスがあるリビングへと戻った。

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