オレンジパラドックス((Daiki.A))

＊ ページ23

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どうしよう、どうしよう…



寝不足で疲れきった頭をフル回転させるけど、

いつもより鈍い思考回路は思うように働かない。



軽くパニックだった。


そこにはもどかしさもあって。




落ち着きとは程遠い状態だった。








混乱した先、目に入ったのは

キャリーバッグ。




ここを出る。


それしか思いつかなかった。






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散らかった荷物は、思っていた数倍も早く片付いて、

5分も経たないうちに部屋を出た。




早足で廊下を歩いて、行き当たった玄関。



彼には後で連絡すればいっか。


まだ落ち着かない脳と身体が早く出ろと急かして、

片足を靴に突っ込んだ





ガチャ_____




嫌な音だった。

今だけはそんな音を聞きたくなかった。


それは自分以外の誰かがいる合図。




…彼が帰ってきた合図。








見えた足元。





大貴「……何してんの」




淡々とした声だった。




どうしていいかわからず硬直する私と、


そんな私を見て静止する彼。





靴に突っ込んだままの片足を、

ゆっくりと引っ込めた。






『…あの…




ごめんなさい』





何もかもがわからなかった。

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