1,クロノスタシス ページ5
まずは、攻略相手を選ぼう…。
Aは、貰ったマスクを付けて歩く。部屋は先程紹介してもらったので、寝床には心配しなくていいだろう。しかしこの組。皆マスクをつけている。この組のシンボルみたいなものなのだろうか？それとも、何か他に理由があるのか。
「おや？」
フラフラと彷徨っていると、後ろから声をかけられた。振り向くと、Aがつけているものとは違うものをつけた男が立っていた。白いフードで、足が隠れた服装をしている。男は首を捻ると、「新入りですかい？」と閃いた様に手を叩いた。妙な口調だ。
「はい。オーバーホールさんからの勧誘で」
「オーバーホール？私は何も聞いてやせんが…」
このままだと、疑われてしまうだろうか。だが、嘘はついていないから大丈夫だと言い聞かせる。流石にこの人もヤクザだと考えると怖いのだ。
「いや、疑ってはいませんよ？そのマスクは付けろと言われたんでしょう？」
「あ、はい」
どうやらこのマスクが証明になったらしい。思わず安堵のため息がでる。
「私はクロノスタシス。長いんで、クロノって呼んでくだせぇ」
「クロノ…さん。私は夢見A…」
Aの名前を最後で遮る。遮るにしては遅いが、どうかしたのだろうか？
「あー…。言われやせんでしたか？個性名で通せって…」
「……あ」
そういえば言われた気がする。セーブや好感度のことで、わたわたしていたから定かではないが…。本名を教えてはまずかっただろうか？
「私の名前も本名だと思ってたんです？流石にそりゃあ…」
「ち、違いますよっ！そこまで阿保ではありません…よ」
Aの様子を見て、少し笑うクロノ。その様子に少し怒りと恥ずかしさを覚えた。
「というか、まずかったですか…？本名教えたら」
「いや？そんなことはないですよ。…私が隠しておけばね」
な、なんなんだその意味深な最後は！と声を荒げたくなるのを抑え、そうですか…とまたもや安堵する。色々と弄んでくれる人だ。
「じゃあ、個性名は…」
「あぁ、いいですよ。私は、名前で呼ばせてもらうので」
手をひらひらとさせながら、その場を立ち去る。その瞬間、かたかたと震えだすA。
「い、今のはグッと来た…！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
百聞(プロフ) - にぼしさん» クロノさんの小説を書いてる方があまりいなかったので、「なら書けばいいのか」と書いてきた甲斐がありました。これからも頑張ります (2019年6月26日 5時) (
レス) id: 7e22305852 (このIDを非表示/違反報告)
にぼし(プロフ) - 完結おめでとうございます！百聞さんの作品、とても大好きなのでほぼ読んでいます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) クロノさん私も大好きで、百聞さんの作品ページを見つけた時には「なんだこりゃ宝の山じゃねぇか」と呟きました← 応援してます！ (2019年6月14日 23時) (レス) id: 0eb6443998 (このIDを非表示/違反報告)
百聞(プロフ) - 刹鬼さん» ぐだぐだ長く続けていたので、納得していただける文になっているか不安でしたが、そのようなコメントを頂けて嬉しいです。頑張ります (2019年6月11日 21時) (レス) id: 7e22305852 (このIDを非表示/違反報告)
刹鬼(プロフ) - 初めましてです。コメント失礼致します。完結、おめでとう御座います。読んでて凄く面白かったです。もう大好きです、この作品。あと、感動致しました…！(涙腺が脆いだけ)これからも頑張って下さい(？)長文失礼致しました。 (2019年6月7日 19時) (携帯から) (レス) id: 363b2bec95 (このIDを非表示/違反報告)
百聞(プロフ) - 瑞林さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます。皆様の応援のもとに作品が完結出来ています。試行錯誤しながら完結に導いていくので、これからよろしくお願いします。 (2019年2月5日 10時) (レス) id: 4f8744d443 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：百聞 | 作成日時：2018年4月29日 17時
