play play play.

ep:47 ページ48

N side








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「Aのこと、本気?」







君に会う日、その日の午前。朝っぱらから俺の家に来たしげが真面目な顔で俺に投げかけた質問。







もちろん答えた。本気って。







「…そうなんや、幸せにしたれや。藤井さん。」








「フジイさん?しげ好きなん?」





聞き慣れない単語としげの思いに戸惑いながら聞き返すと、しげは目を見開いた。







「は、?

まさかわからんとちゃうよな?」





目を見開く程驚くことだろうか。







「いや、ごめんわからんわ。

えっと、フジイさん?しげ、好きな人でも取られるん?




…うわっ!」









普通に話したつもりなのにしげは俺の胸ぐらを掴んで怒鳴った。もう何年も一緒にいるけどそれでも初めてこんなに怒っている姿を見た。









「ふざけんなや」








そのあと聞かされたフジイさんの正体、俺との過去、しげの数年に渡る片想い。どれも信じられないものばかりだった。





「なぁこれでもお前がほんまに言えるんか、好きやって」









揺らぐことのないしげの瞳は何を秘めているのかわからない。









「俺は…」









「もう散々遊んだやんか、


俺、何年もあいつだけを…」






そこまでいったしげは言葉を紡ぐことをやめた。幸せにせんかったら許さへん。それだけいって俺の家を出ていった。









俺はそれから約束の時間になっても家から動けないでいた。




会いにいけない。いけるはずもない。合わせる顔もない。



情けないことに、彼女の過去を知っても言われた場所に検討もつかない。それだけ今まで女という生き物を意識せずきたから。








でも送られてきた写真をみてすぐにわかった。きっと場所は高校の前。






悩んだ末、やっぱり行けなくて。気付いたら時間も夜。9時前。雨も降りだしたし、もう居ないだろうと思ったけどもしかしたらの考えが頭をよぎった。





まだ待っていたら。









俺をしげにその写真をメッセージと共に送った。すぐに付く既読と「あほ」の文字。









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