ep:42 ページ43
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半ば引きずり出すように外へ連れていくとさっきの怒鳴り声が嘘のように笑って、私に尋ねた
「これがほんまに好きってことやんな?」
“好き”
その定義なんて人それぞれだけど
「は?どういうこと?」
私には小瀧の好きがすぐに理解できそうにない。
「やっとわかった。俺、Aが泣いとるんみてA悲しませたくないって思ってん。
…普段ならめんどいやつやなって思うで。でもちゃうかった。
A以外いらんしAのためならA以外の女は切り捨ててもええ。消してもええ。そう思うんておかしいことなん?」
ちがうよ。それは違う。
小瀧は愛されたことがないの?
過去を振り返って気づく。そっか、この考え方はきっと彼の優しさ故の答え。
あなたの周りには昔から、いつだって女の子がいた。
誰から見たってそれはたらしだし、遊び人にしか見えない。そう見られて当然。
でも小瀧は自然に寄って来る、その子逹を突き放さなかった。
どちらかと言えば突き放す理由がなかった
「間違ってるよ、」
自己承認欲求みたいなものがあるのだろう。彼からすればみんな均等に平等に“好き”だった。無論、１人に絞る必要性もなかった。
だって彼は本物の恋も愛も好きも知らなかったから。全部がただの体験教室でしかなかった。偽物だった。
でも普通、好きなった以上相手を自分だけの所有物になってほしいという気持ちはみんな同じ。
私のように告白する子も少なくなかっただろう。
「なんで?なにがあかん?俺、ほんまに好きやねん。Aのこと」
でもそれは邪魔でしかなかった。均等に平等にみんなを好きでいたい彼にとって“所有物”などと縛りつけるやつはいらなかった。
だからそんな人間はことごとく振ってったんだろう。
それが本物の好きを知った今、こんなに歪んだカタチとなって現れてしまった。
そうさせた原因の中に少なからず私の存在はある。
「その好きは受けとれない。
ごめん。」
そんな私に彼と結ばれる資格はない。
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つぐみ(プロフ) - 今更になってしまいますが、すごく面白かったです！！面白すぎて1晩で2周したぐらいに！他の作品ではいつも長年の片思いが実らなかったりで少し悲しかったので、こういう結末でなんだかスッキリするような、でもやっぱり少しだけ複雑な、気持ちになりました笑 (2022年6月18日 4時) (
レス) id: d10b44c25c (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - ファーストラブって、初恋になっちゃいませんか？？？(>_<) (2020年5月23日 17時) (レス) id: bf7117847b (このIDを非表示/違反報告)
伊藤美姫321(プロフ) - 読み終わった後の余韻が半端なくてホントに面白かったです！ (2020年3月15日 0時) (レス) id: 0236cdd955 (このIDを非表示/違反報告)
綾音(プロフ) - ちょっぴり悲しい結末にびっくりしましたが、とても面白かったです！！ (2020年2月3日 2時) (レス) id: e120810d5e (このIDを非表示/違反報告)
屑(プロフ) - 愛菜さん» コメントありがとうございます。楽しみ(?)なんですかね笑 本年どうぞお楽しみください。 (2020年1月7日 2時) (レス) id: c89cc366d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kuzuu. | 作成日時：2019年10月26日 2時
