ep:41 ページ42
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一番後ろの席を陣取って座る私。その4列ほど前には女の子に囲まれた小瀧。
こんなのいつもの光景だ。いつもの見慣れた背中に、いつものメンツ。斜め前にはぼちぼちぼちぼち仲がいい女友達
なのになんでだろう。ほんの少しだけ視界がぼやけてる気がするのは。
そんな時、何を思ったのか小瀧が振り向いた。視線がぶつかる。
それから彼が私の目の前に来るまでの間なんてほんの数秒だった。
「なんで!?なんかされてん?」
「なにもないよ」
座っている私と目線を合わせるようにかがんだ小瀧が心配そうに私の手を握った
「何で泣いてるん、」
「何でだろうね?私もわからない」
小瀧への恋心の形が、輪郭のぼやけたものからはっきりとした形あるものへ変わったことを自覚したからだろうか。
それとも周りの女の子への嫉妬心だろうか。
はたまたしげの顔と声がよぎって罪悪感に呑まれかけたからだろうか。
理由なんてどうだっていいと思った
どれをとったとろこでもう後戻りできないのだから。
私を無言で見つめていた彼は“わかった”と一言だけ呟いた
「望君、講義始まるよ?席戻ろーよ」
さっきと同じ声が小瀧の後ろから聞こえた。どうやらお呼び出しの時間らしい。
「行かんけど。こいつの隣で受けるから」
さっきとは違う小瀧の低い声が響く
「えっ?でも今日は私の隣って…」
消えそうな声でさっきのように彼の服の裾をキュッとつまむ女の子は恋してますって感じ。
「行かんって言っとるやろ!」
聞いたこともないような小瀧の怒鳴り声のようなものが響いたと同時に女の子の手を乱暴に振り払った。
流石の大声に一気に私達へ集中する視線
「のん、外でよ」
大事にしないためにも私は彼の腕を掴んで外へ引きずり出した。
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つぐみ(プロフ) - 今更になってしまいますが、すごく面白かったです！！面白すぎて1晩で2周したぐらいに！他の作品ではいつも長年の片思いが実らなかったりで少し悲しかったので、こういう結末でなんだかスッキリするような、でもやっぱり少しだけ複雑な、気持ちになりました笑 (2022年6月18日 4時) (
レス) id: d10b44c25c (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - ファーストラブって、初恋になっちゃいませんか？？？(>_<) (2020年5月23日 17時) (レス) id: bf7117847b (このIDを非表示/違反報告)
伊藤美姫321(プロフ) - 読み終わった後の余韻が半端なくてホントに面白かったです！ (2020年3月15日 0時) (レス) id: 0236cdd955 (このIDを非表示/違反報告)
綾音(プロフ) - ちょっぴり悲しい結末にびっくりしましたが、とても面白かったです！！ (2020年2月3日 2時) (レス) id: e120810d5e (このIDを非表示/違反報告)
屑(プロフ) - 愛菜さん» コメントありがとうございます。楽しみ(?)なんですかね笑 本年どうぞお楽しみください。 (2020年1月7日 2時) (レス) id: c89cc366d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kuzuu. | 作成日時：2019年10月26日 2時
