ep:37 ページ38
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「そーなんやぁ。へぇ
やから昨日の講義んときもずっとじゃれ合っとったんか」
「じゃれ合ってはないけど、そうなの。うん。
だからバック返そうか。」
取り返そうと伸ばした手は空を掻いた
「約束でしょ?大人しく返しな?」
「返す前にもうちょっと話そうや。もう家すぐそこやし。」
さっきまで子供っぽかった表情が急に男の人、いや…なんというか怖い表情に変わった。
こんなしげは見たことなくて動揺を隠せない
「まず質問。A小瀧のこと、好き?でも恨んどるよな。んで、遊んでんねやろ。」
“恨んでるよな”のあとにハテナがないのは言うまでもなく確信している証拠。
なんでこんなこと知ってるのかわからないけど、この質問に答える必要はなさそう。
「好きじゃない。」
「ふーん。じゃあ次の質問。
俺はAのこと好きなんやけど、それは何年前からでしょーか!」
顔は笑っているのに目の奥は笑っていない。怖い。
好きって恋愛面で?しかも何年前ってどういうこと?まだ出会って数カ月なのに?
「もぉーはよ答えてや」
「…わからない、」
「よな〜!じゃあヒントやるわ!
西山高校 1年B組重岡大毅、1年B組 藤井A、1年B組 小瀧望
どう?わかった?藤井さん」
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全身凍り付いた
私には双子の流星というお兄ちゃんがいる。
高校では学校が違ったけどそれまでずっと一緒に生活してた。でも親の離婚を機に私は母方に引き取られ、名字も“加藤”になり、それまで住んでいた関西を離れ東京に住むことになった。
だから藤井Aを知っているとしたら小瀧だけだと思っていたのに。
「私達同じ高校だったの…?」
ぱぁっと明るくなったしげの顔
「ぴんぽーん。
転校するまでやから短かかったけどクラスも同じやったし、俺ずっと好きやったのにぃ」
「ごめん、あの高校で覚えてるの、のんのことぐらいかも」
「そーやろなぁ」
笑ったしげは「藤井さん、小瀧以外眼中になかったもんな」と付け加えた。
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つぐみ(プロフ) - 今更になってしまいますが、すごく面白かったです！！面白すぎて1晩で2周したぐらいに！他の作品ではいつも長年の片思いが実らなかったりで少し悲しかったので、こういう結末でなんだかスッキリするような、でもやっぱり少しだけ複雑な、気持ちになりました笑 (2022年6月18日 4時) (
レス) id: d10b44c25c (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - ファーストラブって、初恋になっちゃいませんか？？？(>_<) (2020年5月23日 17時) (レス) id: bf7117847b (このIDを非表示/違反報告)
伊藤美姫321(プロフ) - 読み終わった後の余韻が半端なくてホントに面白かったです！ (2020年3月15日 0時) (レス) id: 0236cdd955 (このIDを非表示/違反報告)
綾音(プロフ) - ちょっぴり悲しい結末にびっくりしましたが、とても面白かったです！！ (2020年2月3日 2時) (レス) id: e120810d5e (このIDを非表示/違反報告)
屑(プロフ) - 愛菜さん» コメントありがとうございます。楽しみ(?)なんですかね笑 本年どうぞお楽しみください。 (2020年1月7日 2時) (レス) id: c89cc366d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kuzuu. | 作成日時：2019年10月26日 2時
