めがね (ページ32)

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「私、クイズノックの一員でいられることが本当に誇りなんです」

「うんうん」

「そんなすばらしい環境を作って提供してくれた伊沢さんのことを本当に尊敬してて」

「わかるわかる」

「本物のエリートなのに茶目っ気があって、高嶺の花かと思いきや思ったより懐に入れさせてくれるし、伊沢さんとの距離感がわからなくなってしまって.....」

「伊沢さんはオンとオフのギャップがね、上手だよね」

「そうなんですよ.......ギャップが..........
学祭で志賀さん介して話した一回以外は画面の向こうの人でしたから、何でこんなに伊沢さんを意識してるんだろうって思った時にはもうハマっちゃってました」

「あ～そうなんだ。クイズノックのメンバーになるよりも、伊沢さんを好きになったのが先なんだ」

「はい、その後志賀さんから面接の話し聞いて」

「なんだ～～じゃあサコさんがメンバーになった時から俺にはチャンス無かったんだなー」

「そんな.....チャンスって言うか....」

「あ、ごめん、スルーしてくれていいからね」

「...........」

「でもねサコさん、俺思うんだけど、伊沢さんに限らずだけど、人にはオンとオフの他に”素”があると思っててね」

「はい」

「オフとは言え、やっぱり演じてるわけだよ」

「はい」

「裏表、というと聞こえは悪いけどパフォーマンスってとこかな」

「承知してます」

「そうだよね」

「そこを見せてくれたことがなかったので、今までは取り入る隙がなかったんですけどね」

「けど？」

「今回のあなたさんのことで伊沢さんが素を見せてくれた気がして」

「素の伊沢さん？」

「はい。涙する伊沢さんを見たら居ても立っても居られなくて勢いで私あんなことしちゃって.......」

「そうだったんだ」

「やっぱり、見られちゃいましたよね」

「うん」