めがね (ページ31)

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31 サコside ページ31

「おじゃまします」

はじめてお邪魔する山本さんの家はとてもシンプルだった

と、思いきや可愛いぬいぐるみなんかが置いてあって
思ってた通りの部屋

「汚いとこだけど、ゆっくりして行ってね」

「全然、キレイですよ、ありがとうございます」

「サコさん明日何限？」

「明日はゆっくりで大丈夫です」

「そっか、俺も」

「そうなんですね」

「うん。それで、うちベッドないからサコさんソファでもいい？」

「全然、どこでも大丈夫です、こんな夜中に押しかけてすみません...」

「全然！誘ったのは俺だし気にしないで」

これ良かったら使ってね、と言われて差し出されたのは女の子用のお泊りセット一式

化粧落としに化粧水に美容クリームの使い切りのやつ

え、山本さん、準備良すぎてちょっと、、
と思ったが
「姉のもの」とのこと

「山本さん、お姉さんいるんですね」

「そう、サコさんは兄弟いるの？」

「私ひとりっ子なんです」

「そうか、じゃあ伊沢さんと一緒だね」

そう
ひとりっ子だから伊沢さんの気持ちはよーくわかる

往々にして寂しがりやなのだ

「そうですね」

「サコさんは、伊沢さんのどんなとこが好きなの」

「山本さん、どストレートですね」

「そうだね、こんな時は誰かにアウトプットしてみたらいいんじゃないかなと思って。俺なら誰にも言わないし、ちょうどいいでしょう？」

「そうかもだけど、、もし私が山本さんと逆の立場なら、聞きたくないなって思っちゃいます」

「そうなんだ。でも俺は俺だから、心配しないで」

「山本さん.....」

「気遣いは無し。約束して」

「でも....」

「じゃあ、こう言ったらどう？”もっとサコさんのこと教えて欲しい”」

「山本さんどんだけ優しいんですか....」

「ん？場合によってはサコさんを嫌いになっちゃうかもしれないから、サコさんもうかうかしてられないよ？」

「えっ、そんな言い方あります？」

「あー、サコさん焦ったね」

「え、え？焦ってないですよ」

「ちょっと脈ありだったりして？」

なんなんだこの優しくて可愛い生き物は

山本さんはお布団

私はソファで、毛布にくるまった