『企み』その1 ページ1
―
[―――…まっ、負けた……;;]
陽太郎「そう落ちこむな神久弥、これがじつりょくのさというやつだっ」
[落ち込んではないけど…]
結局俺は、陽太郎とのしりとり勝負に負けて約束のオレンジジュースを奢ることになった。
……いや、奢ることになったのは別に良いんだけどね。
元々、適当なところでわざと負けて買ってあげるつもりだったから。
でも……
[陽太郎そんなにしりとり得意だったっけ…?]
陽太郎「俺はつねに進化しつづける男だからな!!」
[答えになってないよそれ;;]
以前やったときは確かもっと弱かったし、それに相手は5歳児。
いくら馬鹿な俺でも普通なら余裕に勝ててしまう。だから、わざと負けようとしていたのに。
いざふたを開けたら、あまりに強いものだから、
大人げないけど ついムキになっちゃって、わりと早い段階から本気になってやってたんだけれど……、それでも負けた。
…なんか腑に落ちない。
[というか、“る”で終わる単語よくあんなに知ってたな?]
陽太郎「まあなっ。
とりまるに、しりとりでかならず勝てるという“る責め戦法”を教えてもらって、とっくんしたんだ」
[Σ京介か原因は…!!]
こんな子供に、なんてえげつない戦法教えてんの…!!;;
どうりで勝てないわけだよ!!
額に手を当て肩を落とす俺とは対称的に、
陽太郎はとても晴れやかな顔で、俺が買い与えたオレンジジュースをグビグビと飲みほした。
それからは特にこれといって何もせず、4人で少しばかり他愛のない立ち話をしていた。
米屋「あ。そういや俺、お前と勝負する約束だったよな!!」
空閑「ふむ」
…あぁ、そういえば前に米屋先輩がそんなようなこと言ってたような気がする。
米屋「暇ならいっちょバトろうぜ!!」
空閑「正隊員と訓練生って戦えるんだっけ?
風間先輩は戦ってくれなかったけど」
[ポイントが動くランク戦は無理だけど、フリーの練習試合ならできるよ。
…というか遊真、風間さんと戦おうとしたの?;;]
空閑「ばっさり断られたけどね。
俺と勝負したいならここまで上がって来い、って」
[………言いそう]
風間さんがそう言ってる姿が容易に想像出来て、実に風間さんらしいなと俺はふふっとつい笑ってしまった。
米屋「風間さんはプライド高いから、ガチのランク戦で戦いたいんだろ。
俺は楽しけりゃなんでもいーんだ。ほれほれ対戦ブース行くぞ」
空閑「ほう」
楽しそうな米屋先輩に連れられて、俺達は再びC級ランク戦のロビーへと向かった。
―
ラッキーカラー
あずきいろ
260人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
platinum.wolf - ぱんろうさん» ありがとうございます…!!(*´ω`*) 毎回読んでいただけているなんて、とってもありがたいです!! 更新頑張りますっ!!(*`∇´*)ゞ (2017年2月13日 18時) (携帯から) (レス) id: e1623afd53 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんろう(プロフ) - 続編おめでとうございます!このシリーズは毎回楽しく読ませていただいています。これからも頑張って更新してください! (2017年2月13日 6時) (携帯から) (レス) id: b1f04c941f (このIDを非表示/違反報告)
platinum.wolf - 黒猫さん» そ、そんな風に言ってもらえるなんて…っ!!(*´∇`*) ありがとうございます!! これからも頑張りますっ(`・ω・´) (2017年1月30日 19時) (携帯から) (レス) id: e1623afd53 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - このシリーズ大好きです!更新頑張って下さい!応援してます!! (2017年1月30日 18時) (レス) id: d6910fb79a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:platinum.wolf | 作成日時:2017年1月30日 15時