〔ワートリ〕三輪の従兄弟は､一般人(仮)な薄幸少年１６

『後に白い悪魔と称される所以』その１ ページ6

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入隊式、そして戦闘訓練などを含めた新入隊員初日のオリエンテーションは平穏に……とは言いづらいけれど、なんとか予定通り終了した｡


そして俺はその後、玉狛支部へ向かい、小次郎と貴志と２週間ぶりの再会を果たした｡

俺がいない間の２匹の世話を玉狛の皆がみてくれていたと、お見舞いに来てくれた京介から聞いたとき、どんなにほっとしたか…

情けない話、玉狛の皆さんには本当に毎度のことながら感謝しっぱなしだ。


さらに俺は少し前から一時的に玉狛支部へ泊まらせてもらっていたが、

１週間の外泊に２週間の入院……
あまり長い間家を空けるのは良くないだろうし、そろそろちゃんと家に帰らないとと、多少名残惜しくも玉狛支部を離れることを決めた。



その翌日。




空閑｢ふむ…これで訓練は一通りやったな｣

[地形踏破訓練１位、隠密行動訓練１位、探知追跡訓練も１位、おまけに戦闘訓練は歴代トップの新記録…]


元々の才能と実戦経験の差がものをいうのだから、この結果は当然なんだけれども…


……凄すぎて、なんだか遊真が遠くに感じるよ…;;



今、俺は昨日に引き続き戦闘訓練に励む遊真と、
ついさっき偶然会って解説兼案内役を引き受けてくれた充と共に、基地の廊下を歩いている｡


人に教えるのが下手な俺だけじゃ、入隊したての遊真に色々教えるのは心許ない気がしていたから､

たまたま充が通りがかってくれて助かった｡



空閑｢前回と今回の戦闘訓練と合わせて＋１００点で、１１００点か｣


遊真が自分の手の甲に表示されたポイント数を見ながら呟いた。


[じゃあ、あと残り２９００点でＢ級昇格だね]

空閑｢えーと、つまり４０００点になるのは……｣

[うーん…合同訓練は週２回だから、………んん?;;]


一応考えてみたものの、途中で計算がこんがらがって俺の思考回路は即停止｡

遊真と同様に首を傾げる俺に、充が助け船を出してくれた｡


時枝｢満点を取り続けた場合１９週間くらいで、４０００点になるね｣

空閑｢１９週間って何日?｣

[何日?]

時枝｢１３３日｣

[おぉ。充、計算早いっ]

時枝｢…神久弥はもう少し頑張ろう｣

[う、うん……;;]

空閑｢１３３日か…。ふーむ……そんなには待てんなぁ｡
となると…ランク戦で稼ぐことになるわけか｣


ランク戦のロビーまで来た俺達は、空いてるブースに入ることにした｡


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