〔ワートリ〕三輪の従兄弟は､一般人(仮)な薄幸少年１６

『強がりなキミを案じて』その２ ページ13

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三輪｢……!? なに…!?｣

[Σ!? ゆ…遊真……?]


…仇、討ちって…いきなり何を……


空閑｢俺の相棒が詳しく調べればお姉さんを殺したのがどこの国のトリオン兵か、結構絞れるかもよ?
どうせやるなら本気でやった方がいいだろ｣

[…そ、…れは……]

三輪｢………っ｣


遊真が冗談を言ってるんじゃないことは分かる｡

ただ純粋に思ったことを述べているだけで､
きっとそこには一切他意はないだろうということも｡

けれど、だからこそ余計に返答に困まってしまう｡


急な話に戸惑いつつも秀次の様子をさりげなく窺うと、俺と同様……いやそれ以上に酷く困惑しているのが見てとれた｡


三輪｢………、ふざけるな…!! お前の力は借りない……!!
近界民は全て敵だ…!!｣


しかしまたすぐに険しい顔つきになって、低く唸るような声でそう言い放ち､
秀次は前方にいた遊真を押し退け階段のある方へ歩いていく｡


米屋｢おい秀次どこ行くんだ?｣

三輪｢……会議に出る｣

[ぇ、あっ…待って秀次!!
…もしどこか具合悪いなら、その……無理しないで休んだ方が…っ;;]

三輪｢……平気だ｣

[…そ、…そっか……;;]


いや…全然平気そうには見えないよ、色々と…;;


米屋｢やれやれ真面目な奴は辛いねぇ｣

[…、大丈夫かな秀次……]


遠ざかる秀次の後ろ姿を見つめながら、心配をぼそりと呟く俺に
｢まあ大丈夫じゃね?｣ なんて明るい言葉が隣からかけられた｡


[でもっ]

米屋｢んな心配しなくてもお前がいれば、秀次のあれもそのうちなんとかなるって｣

[…そのうち……]


そんなふうに米屋先輩に言われて、励ますように背中を軽くポンポン叩かれた｡


[―――ん…? というか、俺がいればってどういう…]


((クイクイっ


陽太郎｢神久弥!!｣

[え、あぁ…。陽太郎、どうした?]

陽太郎｢しりとりするぞ!!｣

[Σ唐突だな!?]

陽太郎｢負けた方がそこのオレンジジュースをおごるんだ｣


…喉が渇いたなら、そう言えばいいのに;;


[そんなことしなくても、ジュースくらい買ってあげるよ?]

陽太郎｢ふっ…情けはいらない。これはしんけん勝負だ｣

[…;;]


やたらとやる気満々な陽太郎に、俺は付き合うしかないなと諦め頷いた。


[…っうん、わかった。いいよ、やろうかしりとり]

陽太郎｢っよし、じゃあ最初は雷神丸の“る”からだ!!｣


…陽太郎の嬉しそうな顔を見る限り、案外寂しかったのかもしれない。
途中から陽太郎にとっては少し難しい話をしていたから。


……米屋先輩に肝心な部分を聞きそびれてしまったけど…

うん、まあそれは後で聞くことにしよう。


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