【QlK】帰宅から出発まで【ymmt】〈完結〉

キラキラしてる、来訪者 ページ5

ピンポーン

あれから数日後、既に若干記憶が薄れて祥彰や非日常へ対してのキラキラを忘れかけていたとき。

ピンポーーン

カップラーメンを平らげて、お風呂にお湯が溜まるまでの間、テーブルに伏せてうつらうつらとしていると、聞き慣れない音が何回も響いた。21:00過ぎ、こんな時間に誰だろう、と目を擦りながら応答した。

「祥彰です！」

この間よりもいくらか元気な声が聞こえて、玄関まで走る。

「祥彰、どうしたの？」

扉を開けると大きな荷物をいくつか持った彼がそこにいた。まるで、ここに住もうとしているみたい。わたしが聞くと、ポケットから綺麗にたたまれたメモ用紙を取り出して見せてくる。

「なにかあったらまた来ていいよって書いてあったから」

そりゃ、なにかあったら来てもいいとは書いたけど、住み込ませようだなんてそこまで考えてなかった。そもそもわたし達、なにも知らないのに。祥彰がなぜベンチにいたのかも、年齢も、何もかも知らない。

「だから、今日からよろしくお願いします」

彼の中ではもうそんな話は済んでるようだ。わたしがわたわたと困惑している隙に、彼はあのスニーカーを脱いで、リビングへと進んでいた。わたしは彼の背中を追いかけながら、この先のことを考えていた。


「祥彰、いろいろ聞くからね」


確かにこれは非日常だけど、飢えているとは言ったけど、……でもさ、あまりにキラキラし過ぎてない？

「Aさん、カップラーメンばっか食べてるの？」
「話逸らさない！」

非日常が日常に落ち着くまで、何日かかるのだろう。

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