ぜんぶ、つながる ページ35
「っあ、いや、いや!?」
こうちゃんが慌てたように否定し始めるのが面白くってついつい黙ってしまう。山本さんからも何か言ってくださいよ、と視線を向けられる。
Aさんは疑問を持っているような顔をしつつも、こうちゃんの慌てぶりに僕と同じように笑いを堪えている。まあ、いや、僕は堪えきれていないようなものだけど。
「っはは、別にいいよ、こうちゃん」
勢いよく頭を下げてくるこうちゃんに笑っていると、Aさんがどんぶりをふたつ持ってこちらに来た。
出来上がった親子丼をことんと音を立ててテーブルに置く。その後自分の分と箸を3膳持ってきて、いつもの位置に座った。僕はいつも通りの場所、こうちゃんは僕の斜め前に腰かけていたので、彼女はこうちゃんの隣だ。
「いただきます」
そう手を合わせて箸を手に取る。
「こうちゃん本当に気にしなくていいよ、タイミング失ってただけで隠してたわけじゃないから」
親子丼を食べ始めてからも、こうちゃんは申し訳なさそうにするので声をかける。
「そっか、そうならいいんだけど」
そりゃあ最初は無闇に僕のことを教えるのはよくないかなと思って意図的に隠していたけれど、今はそんなよそよそしい間柄じゃないだろう。
「てかAって料理上手いんだね」
「前集まったときもおつまみ作らされたじゃん」
仲良さそうに会話を展開し始めるふたり。みんなそれぞれで仲が良いからこの3人で集まるの思ったより楽しいな、今後も集まりたい。
「ねえ、それで山本さんなの?祥彰は」
彼女の作った美味しい親子丼を食べながら、ふたりの会話をゆるっと聞いていると僕の方に突然飛んできた。
「うん、改めましてQuizKnockの山本祥彰です」
「……え、それってなぞときの人?」
あまり、なぞときの人というカテゴリーで見られたことはないけれど、たぶん彼女が指してるのは僕だ。
「ああ、たぶんそうだね」
「え、こうちゃんわざとあれ見せてきたの?」
こうちゃんは首を横に振る。さすがにね。
「まさか、俺も今日知ったし」
Aさんは箸を置いて考え込み始めた。
「……え?待って、こうちゃんと祥彰がご飯食べてたときにわたし呼び出したの、てかその日こうちゃんが断ったのって、え、めちゃくちゃぜんぶ繋がったね」
「表情が忙しいねAさん」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
評価100票↑(星赤くなりました!)、お気に入り400人↑ありがとうございます!これからもよろしくお願いします。
596人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぶっく。(プロフ) - ゆうかさん» 初めまして、コメントありがとうございます!そうやって楽しんでいただけるとすごく嬉しいです…!短編集にて時々書きますのでそちらからぜひお願いします!! (2020年6月11日 18時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - 初めまして!!!最後まで楽しく読ませて頂きました!!この2人早く付き合えやッッと、ややkoちゃん目線気味で見てましたww素敵な作品をありがとうございました!2人のスピンオフ楽しみにしています! (2020年6月9日 17時) (レス) id: 41b5f36188 (このIDを非表示/違反報告)
ぶっく。(プロフ) - ななおかさん» ななおかさん、ありがとうございます。出会えて幸せ…そう言って頂けて本当に嬉しいです!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年5月7日 21時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
ななおか(プロフ) - 完結おめでとうございます!素敵な作品、ぶっくさんに出会えて心が幸せです(*^^*)次回作とても楽しみにしています!これからも応援しています!! (2020年5月6日 21時) (レス) id: f07a41e0f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぶっく。(プロフ) - ゆみさん» ゆみさん、コメントありがとうございます!そこに気付いていただけて嬉しいです、これからもこのふたりはどんどん幸せになります!(?)大好きだなんてめちゃくちゃ嬉しいです…!新作も登録ありがとうございます、これからもよろしくお願いします! (2020年5月6日 20時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぶっく。 | 作成日時:2020年3月12日 8時