幸せに向いていると信じて ページ10
隣で歩きながら川上について話す彼女は、俺の同期の元カノだ。Aちゃんと知り合うきっかけになった友達というのは、そいつのことで。
「…最近はなにもないの？」
「須貝さん、もう大丈夫です私」
いつまでも彼女のことを気にしているのは馬鹿らしいとわかっていても、世話を焼きたくなってしまう。彼のせいで、Aちゃんがどれだけ辛く苦しい思いをしたのか俺が1番わかっている、つもりだ。
「でも昨日、久しぶりに鬼電が来ました」
平然とそう言ってのける彼女に俺は思わず苦笑いをしてしまう。なにが大丈夫なんだよ、バリバリに被害受けてんじゃねーか と思ったことをそのまま口にすると、くすくすと笑い始める彼女。
「そんなの無視しちゃえばへっちゃらです。あ、そうだ須貝さん」
もう駅が見えるというところで、彼女は俺をまっすぐ見つめてきた。
「川上先輩には、言わないでくださいね、このこと」
うわ、それもう遅い、言っちゃった。…顔に出たらバレる、と思い咄嗟に顔を背けるも、それは完全に逆効果で。彼女はまたくすくすと笑い始める。なんでそんなわかりやすいんですか、なんて言いながら。
「…内緒にしたいわけじゃなくて、心配かけたくないんですよね」
駅の方を向き直して、呟いた彼女はすごくまっすぐとしていて、なぜかため息がこぼれた。それと同時に川上のことを大切に思っている事実に、ちょっと胸が熱くなった。
彼女の気持ちがどういう方向に向いているのかはわからないけど、幸せになってくれそうだ。
彼女の元彼は同期として付き合ってる分には、特になにも悪いところはなかった。見た目は清潔感があって笑顔は爽やかだし、頭もキレるやつで、ちょっとだけ口が悪かったが、それも彼女の前では封印してたみたいだった。浮気性でもないし、暴力も振るわない、パッと見悪い所なんてなかった。
強いて言えば、まっすぐ育ち過ぎたというのだろうか。挫折を味わったことのないような顔をしていた。完璧主義者で、自分が誰かに劣ることなど考えたことがないような感じだった。実際、彼は人よりも色々なことが長けていたから、それに文句もつけられなかった。
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ぶっく。(プロフ) - カルボンさん» カルボンさん、コメントありがとうございます…！推しを書きたいように書いているのでそう言っていただけて嬉しいです！もっと楽しんでいただけるように頑張りたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年3月13日 1時) (
レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
カルボン(プロフ) - 川上さん推しの私、楽しく読ませて頂いております！私自身が長いお話を書くのが得意ではないので、ただただ尊敬です。。これからも更新楽しみにしていますね！ (2020年3月12日 22時) (レス) id: 6c016596a7 (このIDを非表示/違反報告)
ぶっく。(プロフ) - ぷち。さん» ぷち。さんはじめまして、コメントありがとうございます！普段ぷち。さんの作品を楽しませていただいているのでコメントいただけてびっくりしました、とても嬉しいです…！頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！ (2020年3月12日 20時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷち。(プロフ) - コメント失礼します…！川上さんを始め、皆さんかっこよくてドキドキが止まらないです。最高に好きです。これからも更新頑張ってください、応援してます！！ (2020年3月12日 15時) (レス) id: f3200af55f (このIDを非表示/違反報告)
ぶっく。(プロフ) - ひなたさん» ひなたさん、はじめまして。すごく嬉しいコメントありがとうございます（；_；）両片想いの行く末を楽しみにして頂けると嬉しいです、これからもよろしくお願いいたします！ (2020年3月4日 15時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぶっく。
| 作成日時：2020年2月16日 19時
