友達で片付けるほかない ページ8
Aさんはにこにこしているし、他の人の顔は驚きにそれぞれ別の何かが混じっていて若干怖いし、何をどう言えばいいのかわからなかった。言葉で何かを問われているわけじゃないのに、答えなきゃって気になるような空気感で、俺は小さく息を吐く。
「友達なんです、ね?」
友達、と自分で発しておきながらなんか違うな、と思った。でも、それ以外に俺らの関係を表す言葉なんてないので、そう言うほかなかった。別に先輩後輩でもないしね。
「はい!川上先輩とは仲の良い友達です!…あ、だからと言って別にお仕事の話で来ているので、本日はよろしくお願いします」
彼女は柔らかい笑みを浮かべながらふくらさん達に向かってお辞儀をした。会わない間に、随分と大人っぽくなったもんだ。垢抜けたとか、…綺麗になったとか、そういうのもあると思うけれど、なんというか、根本的に変わったというか。俺と会ってない時間にも彼女は進み続けていたんだな、と感じる。
それから福良さんと伊沢さんはAさんを連れて会議室へ入っていった。彼女が言ったように、仕事をしに来たのだから当然だ。
「川上さ、どれくらいの頻度で会ってるの?」
パソコンでの作業に一区切りついたため、なにか飲もうとキッチンへ向かうと須貝さんにそう声を掛けられた。誰と、の部分が抜けている質問だけれど、わざわざ聞き返さなくてもわかる。
「今日、2、3年ぶりに再会したんです」
そう返すと、彼はいつもの明るい調子じゃなくて少し寂しそうに笑った。すこしだけ先程のように驚かれるかな、なんて考えていたから逆にこちらが若干驚いてしまったが、そんなことお構い無しに須貝さんは続ける。
「そっか、Aちゃん、俺となんで知り合いか言ってた?」
オフィスまでの道で彼女に聞いたことを思い出す。共通の友達がいて知り合って、直接的じゃなくとも、その関係で今日ここに来る仕事をAさんが任せれた、みたいなことを言っていた。そのことをそのまま須貝さんに伝える。彼女が楽しそうにナイスガイと呼びながら親指を立てていたことも付け加えて。
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ぶっく。(プロフ) - カルボンさん» カルボンさん、コメントありがとうございます…!推しを書きたいように書いているのでそう言っていただけて嬉しいです!もっと楽しんでいただけるように頑張りたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年3月13日 1時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
カルボン(プロフ) - 川上さん推しの私、楽しく読ませて頂いております!私自身が長いお話を書くのが得意ではないので、ただただ尊敬です。。これからも更新楽しみにしていますね! (2020年3月12日 22時) (レス) id: 6c016596a7 (このIDを非表示/違反報告)
ぶっく。(プロフ) - ぷち。さん» ぷち。さんはじめまして、コメントありがとうございます!普段ぷち。さんの作品を楽しませていただいているのでコメントいただけてびっくりしました、とても嬉しいです…!頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2020年3月12日 20時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷち。(プロフ) - コメント失礼します…!川上さんを始め、皆さんかっこよくてドキドキが止まらないです。最高に好きです。これからも更新頑張ってください、応援してます!! (2020年3月12日 15時) (レス) id: f3200af55f (このIDを非表示/違反報告)
ぶっく。(プロフ) - ひなたさん» ひなたさん、はじめまして。すごく嬉しいコメントありがとうございます(;_;)両片想いの行く末を楽しみにして頂けると嬉しいです、これからもよろしくお願いいたします! (2020年3月4日 15時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぶっく。 | 作成日時:2020年2月16日 19時