【QlK】さいかいからあい【kwkm】〈完結〉

成功した先の不安潰し ページ36

「どうしたの、不安になっちゃった？」

Aちゃんの相談を聞くためにカフェにきた。実は忙しい時期であり、正味2時間程しか彼女に時間を割くことができない。問題の日は明後日に迫っている。きちんとメールを送ることができたとは聞いたけど、もしかしたら他に不安の種ができたのかもしれない。

この間の話し合いでは、川上もAちゃんもそれぞれ考えていることを口にしていた。それなりに隙のない計画ができたと思うのだが、彼女の不安を潰すのは必要だ。

「明後日の、先の話なんですけど」
「先？」

俺が聞き返すと、はい と静かに頷いた。明後日の先、成功して元彼のことを気にしなくてよくなったときの話？それとも、失敗した先の保険の話？

「前、須貝さんに聞かれたときによく分からない、って答えちゃったんですけど」

その前置きで、何を話すのかわかってしまい、ついニヤける。かなりの確信をもって、わざわざ口で確認するまでもないと思ったあの質問。それをふわりとかわされたのは元彼の存在があったから。つまり、成功した先の話を彼女はしようとしている。

「……やっぱり、好きです、川上先輩のこと」

真剣な眼差しに彼女の気持ちの強さが表れていた。

「つまり告白の相談？」
「っいや、気持ちの整理をしたくて、貴重な時間を割いてもらったのにすみません」

俺が急かすことじゃないし、別にAちゃんと話すことは苦痛でもなんでもなく、忙しい中の楽しみになるからいい。どう考えたってお互いのことを想っているんだから、あんなにダダ漏れなんだから、くっつくのは時間の問題だろうし。

「川上先輩って、たらしなんですか」

冗談だと思って笑いそうになったが、彼女は本気で聞いているらしい。どこからどう見ても川上はAちゃんのことしか見ていないのに、何を言ってるんだろうか。でもきっと、意味もなく疑うわけないから、なにか理由はあるんだろうな。

「なにかあったの？」

他人の恋愛に過剰に口を挟むのは好ましくないけど、今日ばかりはキューピットになったつもりで、不安を潰してあげなきゃね。

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