【QlK】さいかいからあい【kwkm】〈完結〉

珈琲と世間話 ページ19

「Aさん、今日は川上と帰るんですか？」

伊沢さんと福良さんとの会議が終わって、帰る用意を整えていると伊沢さんにそう声をかけられる。川上先輩の仕事が終わっているようならもちろん一緒に帰りたいが、彼の邪魔は、というかQuizKnockさんの邪魔はしたくないしなあ。

いろいろ考えて、伊沢さんの質問に答えられないでいると、優しく笑いながら 川上のことを待つならオフィスにいてもいい ということを伝えてくれた。福良さんにも確認をとったら、笑顔で了承してくれたのでお礼を言って、素直にそうさせてもらうことにした。

2人はすぐに会議室を出ていって、何もすることがなくなったわたしは、片付けたノートパソコンをもう一度開くことにした。

「すみません、開けてもらってもいいですか」

コンコン、と聞こえて立ち上がるとそう言われて、扉を開けた。そこには、ティーカップとマグカップ、それにミルクや砂糖を乗せたお盆を持った伊沢さんが立っていて どちらが好きですか なんて聞かれる。

さっきもペットボトルの緑茶を頂いたというのに、申し訳ない。お礼を言いながらコーヒーを選ぶと、選ばれなかった紅茶を持って、先程と同じように向かい側に伊沢さんが腰をかけた。

「世間話とか、どうですか？」

その言葉に頷いて、わたしは立ち上げたばかりのパソコンを閉じて横にずらした。伊沢さんはとても賢い人だ。それでいて、楽しい空気を作るのも上手だから、きっと普通に話したら絶対楽しい。柔軟な考え方を持ちながら、芯がまっすぐだということは、会議だけでもしっかり伝わった。まあ、YouTubeも見始めたからそのイメージも結構あるんだけど。

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