アイコンタクト ページ2
川上先輩、それはわたしの大学生活を語り始めるのには欠かせない存在だった。
図書館に入り浸ることくらいしか講義合間の時間を潰す術を知らなかったわたしは、1年の夏休みが明けた頃、そこで2つ年上の川上先輩と出会った。
いつ見ても一生懸命調べ物をしていて、何度も席を立ったり何かを打ち込んだりしていた。とにかく忙しそうで、声をかけるなんてできる雰囲気じゃなかったけれど、落とし物をするのを見たなら話は別だろう。
スルーしてもよかったけれど、思わず拾ってしまったそれにはなにか重要そうなことが書かれていて、渡さざるを得なくなった。
「すみません、これ…」
「はい?…あ、ありがとうございます」
無事に渡して、何事も無かったかのように別れ、特に何も起きなかった。
その後、再会したのはキャンパス近くのカフェ。つまり、わたしの暇つぶしに図書館に入り浸る以外の選択肢が増えたあたりだ。大学の外でわざわざ会う約束を取り付けるような友達ができたのだ。
近くの席に座る彼とバチッと目が合った。…落とし物を渡したっきり話したことなんてなかったし、特に相手の印象に残ってないんだろうなと思っていた。けれど、相手もしっかり私を認識してると言わざるを得ないくらいに目が合った。
あっちも誰かと来てるみたいだったけど、視線で合図をされた。なんていえば伝わるのか分からないけど、目を意図的に合わせてから2回ほど外を見た。その直後に、彼は席を立った。
外で会おうということだろう。こんな単純なアイコンタクトにひどくドキッとしたのはここだけの秘密。
「ごめん、ちょっと急用、また明日」
向かい側に座る彼女にそう声をかけて、テーブルにお札を置いてわたしも同じように席を離れた。
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ぶっく。(プロフ) - カルボンさん» カルボンさん、コメントありがとうございます…!推しを書きたいように書いているのでそう言っていただけて嬉しいです!もっと楽しんでいただけるように頑張りたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年3月13日 1時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
カルボン(プロフ) - 川上さん推しの私、楽しく読ませて頂いております!私自身が長いお話を書くのが得意ではないので、ただただ尊敬です。。これからも更新楽しみにしていますね! (2020年3月12日 22時) (レス) id: 6c016596a7 (このIDを非表示/違反報告)
ぶっく。(プロフ) - ぷち。さん» ぷち。さんはじめまして、コメントありがとうございます!普段ぷち。さんの作品を楽しませていただいているのでコメントいただけてびっくりしました、とても嬉しいです…!頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2020年3月12日 20時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
ぷち。(プロフ) - コメント失礼します…!川上さんを始め、皆さんかっこよくてドキドキが止まらないです。最高に好きです。これからも更新頑張ってください、応援してます!! (2020年3月12日 15時) (レス) id: f3200af55f (このIDを非表示/違反報告)
ぶっく。(プロフ) - ひなたさん» ひなたさん、はじめまして。すごく嬉しいコメントありがとうございます(;_;)両片想いの行く末を楽しみにして頂けると嬉しいです、これからもよろしくお願いいたします! (2020年3月4日 15時) (レス) id: 19fcfdccc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぶっく。 | 作成日時:2020年2月16日 19時