導き3 ページ5
-
島を出てどれだけ走ったかはわからないが、日が傾く頃に無人島にたどり着いた。
クザンはすぐに火を起こし始め、あっという間に島は闇に包まれた。
パチパチ
『目指してる島はどれぐらい先なんですか？』
「とりあえずすっごく遠いから、次の大きな島から出てる
定期船で
その島まで行けるから乗ろうと考えている。」
それを聞く限り本当に大きな島なのがわかる。
話しによれば商業も盛んでしっかりした海軍の駐屯所もある島らしく住むには持ってこいらしい。
『のんびりした島が好きなんだけどなぁ。』
「あらら。どっか好きな島でもあったのかい？」
そう言われ頭を過る黄色。
『ありますが、あそこは嫌かもしれない。』
思い出がありすぎるから、と告げれば何も聞かずにただ相槌だけ打ってくれた。
空を見上げれば相変わらずの満点の夜空が見えたので砂浜に寝転んで見つめる。
この夜空をあの船で何度も見てきた。
初めてこの世界の夜空を甲板で見た時は本当に感動した。
(『・・・・・・。』)
(「・・・口開けっぱなしになってんぞ？A。」)
船に乗ってヤソップが車椅子をくれた頃に窓の外を見て星が良く見えることに気づき、夕食時星空を見に甲板に出たいことを言えば皆変な顔をしたのを覚えている。
シャンクスがお酒片手に付き合うと言ってくれて一緒に甲板に出れば遮蔽物のない一面の星空に感嘆に開いた口が閉じなかった。
前の世界の空は狭かった。
星が見えても空気が悪くそんなに数もなく、田舎に行った時は量に驚いたものだ。
だけどこの時の星空はそんな星空すら凌駕し、
CGなのではないかと思ってしまう程のスケールで、
しかしその美しさは自然でしか生み出せないのだと最新技術を嘲笑うほどの無垢な輝きで、目からは自然と涙が溢れた。
シャンクスが凄く慌てながら必死に背中を摩ってくれた。
(「何で泣いてるんだ？」)
その言葉に星が綺麗で、と答えれば彼は驚くのと同時に少し寂しそうな顔をした。
何故そんな顔をしたのかはわからない。
「何か見えるのかい？」
『うん。星が。』
一緒に横で寝転び出したクザンにそう答えれば彼は少し微笑んだ。
「Aには、俺たちがどっかに忘れてきたものが見えるんだな。」
そう言ったクザンもあの時のシャンクスと同じ表情をしていた。
-----------------------
再会までシャンクスは出ません。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 821人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すまま(プロフ) - かほさん» コメントありがとうございます！こちらは頭を使うシーンが増えてきて体調に響くので、能天気な別作作りました。もしよければ見ていってあげてください(^o^)頑張ります！ (2022年11月8日 1時) (
レス) id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - こんにちは！いつも小説楽しく読ませていただいてます。体調お大事にしてください！ (2022年11月8日 0時) (レス) @page44 id: c59ea93e25 (このIDを非表示/違反報告)
すまま(プロフ) - michiruchiru091さん» コメントありがとうございます！静かで儚いなんて、最高の褒め言葉です( ；∀；)ありがとうございます！REDの回を書いた後に再度映画館に行き、シャンクスへの愛を更に盛り込もうとしていたのですが、無念です( ；∀；)これからも頑張ります！ (2022年11月7日 21時) (レス) id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
michiruchiru091(プロフ) - すすまさん初コメ失礼します。実は投稿の1作品目から愛読しておりまして影からこっそり応援させていただいてました…！ほんっっとにこのすすまさんの夢小説は静かで儚い感じがして愛してやまないです。更新はいつまでも待っているのでお体を大切にしてください。 (2022年11月7日 12時) (レス) id: dad14dc75d (このIDを非表示/違反報告)
すまま(プロフ) - けーきにとびこみたいさん» コメントありがとうございます！面白いだなんて( ；∀；)ありがとうございます！これからも頑張りますね(^o^)v (2022年10月13日 22時) (レス) id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すまま | 作成日時：2022年9月30日 9時
