導き23 ページ25
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信じられない。
ウタが目の前にいる。
目をパチクリしていると「ちょっと待っててね。」とウタが声をかけてくれる。
『え?』
「すぐにみんなにしたようにライブしてあげるね。
あなただけに、だなんて素敵じゃない?」
そう言いながら手元の籠から変な形のキノコを取り出しては食べるウタ。
『・・・キノコ、生で食べて大丈夫?』
するとウタの手が止まりこちらに振り向く。
すぐに吹き出すと大きく笑うウタにビックリすればごめんごめんと謝ってくれる。
「あなた。不思議な人ね。ねぇ、名前は?」
『A。はじめましてウタちゃん。』
ここで何してるの?と言えばん〜?と体を伸ばしながら足を進め出す。
その先には漫画でずっと見ていたルフィと麦わら海賊団の姿があり、そして周りを見渡せばたくさんの人が倒れていた。
『え?』
「大丈夫。寝てるだけ。」
ちょっと待っててねA、と片手にナイフを掴み
ルフィに近づいて行く。
何をするつもりなのか理解したくなかった。
ただ、原作で見たことのない光景が目の前で繰り広げられていることには気づいた。
『待っ!』
叫ぶ前にウタは雨に打たれながらうつむくと愕然と絶望したようにかすれた声で
「あいつは私を捨てたんだよ」
来るわけない、とつぶやき眠るルフィの隣に膝をつき濡れた髪を撫でる。
「もういいよ、ルフィ。バイバイ」
ナイフを両手に握りしめ刃をルフィの胸に向けて勢いよく振り下ろす。
走り出すが間に合わない!
途中足を滑らせ勢いよく転倒し急いで体を起こせば、
シャンクスが傍に跪きウタの手を摑んで止めていた。
「シャン、クス?なんで、、、」
彼の後ろにはベックマンやヤソップ、ルウたち赤髪海賊団が勢ぞろいしていた。
その光景にホッとしていれば横からきたホンゴウが腕を持ち立ち上がらせてくれる。
『ホンゴウ。』
「なんでいるんだよ。」
ごめん、と言えば「後でしっかり怒られろよ。」とシャンクスを顎で指すのに頷いた。
「久しぶりに聞きに来た。お前の歌を」
降る雨に目を細め、シャンクスがウタに落ち着いた声で言えば放たれる冷たい声。
「・・・は?」
ウタは顔をゆがめると顔を両手で覆い、無数の感情が沸き上がる中解消しきれないものに耐えかねて髪を掻き毟った後、身体をのけぞらせると大きく笑い声をあげた。
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すまま(プロフ) - かほさん» コメントありがとうございます!こちらは頭を使うシーンが増えてきて体調に響くので、能天気な別作作りました。もしよければ見ていってあげてください(^o^)頑張ります! (2022年11月8日 1時) (レス) id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - こんにちは!いつも小説楽しく読ませていただいてます。体調お大事にしてください! (2022年11月8日 0時) (レス) @page44 id: c59ea93e25 (このIDを非表示/違反報告)
すまま(プロフ) - michiruchiru091さん» コメントありがとうございます!静かで儚いなんて、最高の褒め言葉です( ;∀;)ありがとうございます!REDの回を書いた後に再度映画館に行き、シャンクスへの愛を更に盛り込もうとしていたのですが、無念です( ;∀;)これからも頑張ります! (2022年11月7日 21時) (レス) id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
michiruchiru091(プロフ) - すすまさん初コメ失礼します。実は投稿の1作品目から愛読しておりまして影からこっそり応援させていただいてました…!ほんっっとにこのすすまさんの夢小説は静かで儚い感じがして愛してやまないです。更新はいつまでも待っているのでお体を大切にしてください。 (2022年11月7日 12時) (レス) id: dad14dc75d (このIDを非表示/違反報告)
すまま(プロフ) - けーきにとびこみたいさん» コメントありがとうございます!面白いだなんて( ;∀;)ありがとうございます!これからも頑張りますね(^o^)v (2022年10月13日 22時) (レス) id: 6277eb3c9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すまま | 作成日時:2022年9月30日 9時