幼なじみが可愛すぎる件について！２＿skab

少年Aとトマト味 ページ4

昨日目黒とLINEしてたら発売したばっかのファッション誌を買ったって言ってて。
いいなと思ったら昼休み読ませてくれるって言うから、中庭に集合。


「別に食べながら見ていいよ。」


って言ってくれたから、時間もそんなに無いしサンドイッチ片手に雑誌を見る。


「これ目黒好きそう。」
「そう、それ欲しい。」
「やっぱり。
でも俺目黒にはこういうのも着てほしいなぁ。」


俺だったら似合わないだろうけど、目黒はシンプルなのから明るめの色の服まで着こなせるから、選ぶのが楽しい。


「あ、こっちの佐久間とか…。」


やめたやめた。
今佐久間のこと考えるのはよくない。
佐久間との距離感を冷静に考え直す期間だから。


「佐久間は基本アニメの服しか買わないか。」


と、適当に話を切り上げてページをめくる。
…つもりだったのに。


「ほんと阿部くんて佐久間くん大好きだよね。」
「はい？」
「佐久間くん本人がいてもいなくてもすぐ佐久間くんの話するし。」
「それは共通の幼なじみだから話題に出るだけじゃない。」


目が合ったら色々バレそうで、雑誌に視線を落とす。


「そう？
どう見ても佐久間くんを好きとしか見えないけど。」
「そりゃ、十年以上一緒にいる幼なじみだから大切だけど。」
「ふぅん。」


少し低くなった目黒の声に、思わずそちらを見てしまう。
でも目黒はこちらを見ずにお弁当箱の中のミニトマトを手でつまみ上げてて。

だけど次の瞬間こっちを見て。


「俺にはさ。


こういうこと、シたい好きに見えるけど？」


むにゅ、と唇に当たる赤。
佐久間と、キス？

目黒の言うことの意味が分かった瞬間、顔に熱が集まるのに自分でも気付いた。


「な、に言って…。」
「俺何年も前から気付いてたよ。
ただ、あまりに長いからそろそろ答え合わせしてもいいかなと思っただけ。」


マイペースにさっきのミニトマトをぱくりと食べてる目黒。


「答え合わせって…。
そんなのしたって仕方ないでしょ。」
「協力くらいするけど？」
「いらない。
だって言う気も無いし。」
「そうなの？」
「そうなの。
…あ、でも一つだけ。


俺と佐久間が、一生いい幼なじみでいられるように。
何かあったらフォローして。」

「…要検討で。」


目黒はまたぱくりとミニトマトを口に放った。

少年Sに恋のレッスン1→←少年Sは誰を見るのか2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す