幼なじみが可愛すぎる件について！２＿skab

少年Sと男の約束2 ページ14

「あとさ、実はもう一つめめに嫉妬してたことがある。」
「え、何？」
「阿部ちゃんとキスしたこと！」
「…はい？」


めめが眉間に皺を寄せる。


「は？
朝めめが言ったんじゃん！」
「言ってないし、してもないけど。」
「とぼけんなよ！
だって阿部ちゃんの唇柔らかかったって…！」
「あー、あれ。
あれはまぁいたずらって言うか。
昼一緒に食った時、ミニトマトを阿部ちゃんの唇にくっつけたの。
その時のなんとなくの感触。」


俺が窓から見たやつじゃん！


「は！？
なんだよ、それ！」
「いやだって妙に俺と阿部くんの話を聞きたがるから、なんか怪しいなと思って。
それでちょっと言ってみた。」
「怪しいって…！」
「まぁ、阿部くんのこと好きなのかなって。」


バレてる…！


「はっ、え、それで俺めめにも煽られてたわけ？」
「あー、しょっぴー達も佐久間くんのこと煽っちゃったみたいなこと言ってたもんね。」
「お前ら全員鬼かよ！」


俺の恋心なんだと思ってんだ。


「や、応援してるんだって、多分。」
「その多分ってのがめちゃくちゃ引っかかんのよ…。」
「でも俺、佐久間くんの隣で笑ってる阿部くん、結構好きだよ。
だから、気まずいとか佐久間くんらしくないことうじうじ言って悲しませてはほしくない。
大切な幼なじみだし。」
「……、分かった。」


「だいたい佐久間くんは昔から、今でも、俺らの切り込み隊長なんでしょ。」


じっと、真剣な目つきで見つめられる。


「…おう。
佐久間さん、頑張っちゃうぞ！」


うじうじすんのはやめて、俺らしく、阿部ちゃんに向き合わないと。
だってまた、前みたいな笑顔を、俺にも見せてほしいから。

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