幼なじみが可愛すぎる件について！２＿skab

少年Sの瞳に映るは2 ページ10

一、二年の発表が終わり、三年生が合唱やお礼の言葉を言って。
最後は三年生の退場を見送って会は終わった。


ぞろぞろと自分たちも体育館を出て行くと、知ってる二人。
まだ劇に出たままの状態の阿部ちゃんと、それからめめの姿。
そりゃ着替えるスペースも無いし、教室戻るまであの格好のままか。


「わ、どっからどう見ても美男美女だ。」


ふっかも思わず呟くほど、お似合い。



「まじで阿部くんすっごい綺麗じゃん。」
「なんか目黒に言われると照れるんだけど。」


って自分より背の高いめめを見上げてほっぺたに両手あててる阿部ちゃん。
ちょっとほっぺ赤いし…。


「ねぇ、写真撮ろうよ。」


そう言ってインカメで写真を撮ろうとした時、めめが阿部ちゃんの肩をぐいっと抱き寄せた。


「あれ、佐久間くん達じゃん。」


撮り終わるとめめが俺らに気付く。


「よお。」


と、言ったものの…。
俺らがいると分かった途端、阿部ちゃんが目を伏せる。
きゅ、とグロスでつやつやした唇も結ばれた。


めめなら、笑うのに？
めめなら、その唇を好きにさせるのに？


「阿部くんとツーショット撮っちゃった。」


阿部ちゃんの肩をまだ抱いたままスマホを見せられる。


「へぇ…。」


たしかに、どこの学園ドラマのカップルだって感じの写真なのは認めざるをえない。


「阿部くん綺麗でしょ。
佐久間くんもなんか言ってあげなよ。」
「っ、…阿部ちゃん。」
「な、何…。」
「その…上手だったよ、演技。
お疲れ様。」
「…あり、がと。」


お似合いのめめを前にして、笑顔にさえ出来ない自分が綺麗だとか歯が浮きそうなセリフは到底言えるわけもなく、それを言うのが精一杯だった。


「ほら、阿部ちゃん疲れてんだから行くぞ！
じゃあね、阿部ちゃん。」


そう言って目黒の腕を引っ張る。
いつまで阿部ちゃんの肩抱いてんだっつうの！

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