少年Sは恋に戸惑う ページ12
「いった!
佐久間くん痛いってば!」
めめのその声で立ち止まる。
あ、俺結構奥までめめのこと連れて来てたわ。
パッと手を離す。
「ごめ」
「なんなの、佐久間くん。」
意味分かんない、って顔のめめ。
そりゃあ突然連れて来ちゃったけど、でも。
「そっちこそ、なんだよ。
あんな人が沢山通ってるようなとこで阿部ちゃんからかって。」
「からかう?
なんの話?」
「綺麗だとかなんとか口説くようなこと言って、抱き寄せてたじゃん。」
「何それ。
俺別に褒めてただけじゃん。」
「はぁ!?
阿部ちゃん真っ赤だったじゃん!
肩だってずっと触って。
朝のことといい、阿部ちゃんの反応で遊ぶなっつってんの!」
どこ吹く風なめめの態度に、自分がまたイライラしてきているのが分かる。
そんな俺にもめめは全く動じず、それどころか冷ややかな目を向けてくる。
「あのさぁ、佐久間くん。
嫉妬で俺にあたるのやめてよ。」
「なんだよ嫉妬って。」
「別に俺阿部くんの彼氏じゃないんだからさ、佐久間くんだって自由に綺麗だとか可愛いとか言いたいなら言ってあげたらいいじゃん。
写真なら文化祭でラウールと撮ったみたいに撮ればいいんだし。
あとハグでもなんでもしたらいいんじゃない?」
「したらいいって、あのなぁ。」
そういう考えで阿部ちゃんにキスまでしたってこと?
彼氏いないからとかそういう問題じゃないだろ。
「あと佐久間くんが何勘違いしてるか知らないけど、俺好きな奴いるし。
だから仮に阿部くんが今日の俺の態度に惚れたとしても、佐久間くんから見て俺らがお似合いだったとしても、それは俺にはなんも関係無いから。」
「お前っ…!」
阿部ちゃんの気持ちなんだと思ってんだよ!
思わず胸倉を掴む。
とまでは思ったし、体も動いたものの、腕を横から捕まれて出来なかった。
「佐久間ストップ。」
「…舘さん。」
ふっかも俺らを遮るように真ん中に立って
「目黒、ごめんな。
俺らも最近ちょっと佐久間のことからかっちゃってさ、阿部ちゃん関わるとナーバスなんだよ。
今回のところは許してやって。」
と、かわりに謝られる。
「佐久間のことは回収してくから、目黒は気にしないで戻っていいよ。」
「…じゃあ、俺いても佐久間くん嫌な思いさせるだけだし、任せます。
すいません。」
翔太の言葉にめめが頭を下げて戻って行った。
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葉子(プロフ) - めぐみみさん» こんにちは。甘いのってやり過ぎて安っぽくなったりしないかな?とか、わざとらしさぎない?とか不安になりながら書いているところがあるので、キュンキュンというお言葉本当に安心しました…!まためぐみみ様にキュンキュンしてもらえるように頑張ります! (2020年6月5日 20時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - くーあんさん» こちらにまでコメントありがとうございます!可愛く!可愛く!と唱えながら書いたので、感想嬉しかったです(笑)また書いた時にはぜひ読んでやってください!いつもパワーをありがとうございます! (2020年6月5日 20時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
めぐみみ(プロフ) - こんにちは。さくあべの2人が初々しくて可愛いくてキュンキュンしながら読んでました。素敵なお話ありがとうございます。 (2020年5月31日 14時) (レス) id: 5685bea8d4 (このIDを非表示/違反報告)
くーあん(プロフ) - その後の可愛いさくあべデートありがとうございます!2人の初めての…が微笑ましくて!本当に葉子さんの作品大好きです。これからも作品楽しみにしています。 (2020年5月31日 0時) (レス) id: 678da13574 (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - ミッキーさん» お読みいただきありがとうございます!ファンだなんて恐れ多い言葉までかけていただき、感動しています。感謝の気持ちでデート編始まりました。まだデートに出発もしていませんが、お読みいただけたら嬉しいです。今後もこちらや他の作品など、よろしくお願いします! (2020年5月30日 1時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉子 | 作成日時:2020年5月22日 0時