第6話 ab ページ6
バタンと、佐久間の家のドアが閉じる。
「佐久間…。」
靴もまだ脱いでいないけど、兎に角縋るものが欲しくて名前を呼んだ。
「阿部ちゃん。」
「俺達、どうなるんだろう。」
一番戸惑っているのは佐久間のはずなのに、佐久間だって答えは持ち合わせていないはずなのに。
それでも俺は、聞かずにはいられなかった。
「分からない。」
ぽつりと、佐久間が呟く。
「分からないって、だって、そんな。」
「阿部ちゃん落ち着いて。」
「っ、落ち着けるわけないだろ！」
思わず声を荒げる。
「佐久間は良いの？
俺たちこのままじゃ同棲解消どころか、実質お仕舞いじゃん。
来週から、世間じゃ佐久間と照が恋人同士になるんだよ！？」
冷静な佐久間に余計に焦りが増して混乱する。
けど、バンッ、と音がして、我に返る。
その音は、佐久間がドアに手をついた音だった。
背中にあたるドアの冷たさと、目の前で俯く佐久間。
それに挟まれて、俺は動けなかった。
「っ…、良いわけねぇだろ！」
そう絞り出すような声で叫んだ佐久間が顔を上げた。
その顔は、泣いていた。
「こんなに…、こんなに好きなのにっ！」
強引に唇を奪われる。
応えるように目を閉じれば、膜を張っていた涙が俺の目からも零れ落ちた。
お互いの頬に伝う涙は、もうどれがどちらのものかなんて、分からなかった。
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葉子(プロフ) - なぎしゅうさん» あ、なるほど！あの量をこんな速度で！？とビックリしちゃいました(笑)衝撃を受けてもらえて嬉しいです！萌えというよりは精神的ホラー小説ですが、2もぜひお楽しみ（？）くださいー！ (2021年3月10日 20時) (
レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - 2はこれから読みます！衝撃だったことをお伝えしたかったし、ちょっと苦しかったので休憩も兼ねての投稿です。葉子さんはハピエン主義と言っているのを期待して2、読みいってきます〜 (2021年3月10日 19時) (レス) id: dee66be56c (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - なぎしゅうさん» 愛の権利170話ほどの量をもう読み終わられたんですか！？すごいですね！？iwfkさんにもご注目ありがとうございます！地味にすれ違いっぷりがすごかったiwfkさんでした。迷いながらも最後まで読んでいただけて、感想までもらえて、書き手としてはすごく幸せです！ (2021年3月10日 17時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - 愛の権利、読み終わりました。最後の方でようやくiwfkが出てきてホッとしましたがそこまでは本当に苦しかったです。お話だと分かってても本当に悲しくなりました。途中で読むの辞めようかと思う位…。葉子さんのお話は引き込まれてしまったって凄いです。続き頑張ります (2021年3月10日 12時) (レス) id: dee66be56c (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - そら。さん» 小説探していると多いので、いっつもiwfk、ゆり組、までいくとドキドキしながら説明文の続きを見てしまうskabヲタです(笑)ほんと、同期で拗らせてますねぇ…。mmkjさんにぜひ癒されてください！私もkjさん書く時はお花を飛ばすくらいの気持ちで書いています…！ (2021年1月4日 20時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉子
| 作成日時：2020年12月16日 21時
