第12話 ab ページ12
「その通りです。
佐久間さんも、仕事は変更になっています。」
肯定の言葉に、愕然とする。
全部、仕組まれていたなんて。
「あの、昨日から思ってたんです。
いくらなんでもメンバーまでそんなに排除しようとしなくても、」
「んー、同棲するカップルは深い仲であればある程話題になりますよね。
なのにスクープの前後に佐久間さんが岩本さん以外のメンバーとばっかりいて随分さっぱりした関係のカップルだ、なんてなったら全然盛り上がらない、っていうのが上の考えです。
つまり阿部さん。」
「…はい。」
じっと見つめられて、ごくんと唾を飲み込む。
「あなたはこのプロジェクトにおいて危険人物であり、ある意味で一番のキーマンとされています。
佐久間さんとの接触は謹んでください。
このプロジェクトで莫大なお金が動く可能性もあるんですから。」
「そんな。」
「とにかく、今から荷物をまとめてください。
急なのでダンボールなどは事務所からもらって来ています。
お手伝いしましょうか？」
「…いえ、自分でやります。」
ここでうじうじしていて中を見られるのはまずい。
慌てて返事をし、意思表示をした。
「では車で移動のお手伝いをしますので、三時間以内に連絡をください。
三時間で大丈夫ですよね？
ルームシェア、いえ、たまに泊まりに来ていただけの仲ですから。」
「…、はい、そうですね。」
ぞくりとした。
何もかも、見透かされてるんじゃないかって。
この動揺が、表情に出ていませんように。
そう願って、乗ったばかりの移動車を降りた。
時間の問題もあるから、捨てても良いものは全てゴミ袋へと入れて、最低限のものを持ち帰ることにした。
「あ。」
玄関で、指輪の入ったケースが視界に入る。
そっと開けば、並ぶ二つの輝き。
次これが隣り合って並ぶのは、いつになるんだろう。
そんな日がまた来るのか、今となってはそれさえ自信がもてなかった。
それでも置いていくという選択肢は無いから、自分の方をケースから取り出して鞄のポケットにしまった。
「いってきます。」
返事は無い。
きっとこの部屋にただいまと戻れることも無い。
それでも、祈るように呟いた。
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葉子(プロフ) - なぎしゅうさん» あ、なるほど！あの量をこんな速度で！？とビックリしちゃいました(笑)衝撃を受けてもらえて嬉しいです！萌えというよりは精神的ホラー小説ですが、2もぜひお楽しみ（？）くださいー！ (2021年3月10日 20時) (
レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - 2はこれから読みます！衝撃だったことをお伝えしたかったし、ちょっと苦しかったので休憩も兼ねての投稿です。葉子さんはハピエン主義と言っているのを期待して2、読みいってきます〜 (2021年3月10日 19時) (レス) id: dee66be56c (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - なぎしゅうさん» 愛の権利170話ほどの量をもう読み終わられたんですか！？すごいですね！？iwfkさんにもご注目ありがとうございます！地味にすれ違いっぷりがすごかったiwfkさんでした。迷いながらも最後まで読んでいただけて、感想までもらえて、書き手としてはすごく幸せです！ (2021年3月10日 17時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
なぎしゅう(プロフ) - 愛の権利、読み終わりました。最後の方でようやくiwfkが出てきてホッとしましたがそこまでは本当に苦しかったです。お話だと分かってても本当に悲しくなりました。途中で読むの辞めようかと思う位…。葉子さんのお話は引き込まれてしまったって凄いです。続き頑張ります (2021年3月10日 12時) (レス) id: dee66be56c (このIDを非表示/違反報告)
葉子(プロフ) - そら。さん» 小説探していると多いので、いっつもiwfk、ゆり組、までいくとドキドキしながら説明文の続きを見てしまうskabヲタです(笑)ほんと、同期で拗らせてますねぇ…。mmkjさんにぜひ癒されてください！私もkjさん書く時はお花を飛ばすくらいの気持ちで書いています…！ (2021年1月4日 20時) (レス) id: f3c5f4857a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉子
| 作成日時：2020年12月16日 21時
