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episode0.菓子宮レンの苦痛 ページ3

レン side

_____これは、ずっと前、私が、3歳くらいの時のお話。

ーーーーーーーーーーー
 貧民区の街角、私はいつも泣いていた。父親は何処かへ行ってしまい、残ったのは暴力を振るってくる母と自分、そして、顔も忘れてしまった生き別れの大切な弟と妹。ご飯なんて、まともに食べたことはなかった。近場の都市部で盗んだ少しばかりのパンやスープも、殆ど母に奪われてしまう。残ったぶんは下の子に。私は自分の部屋に少しだけ貯めていた腐りかけの非常用食品を1日一口程度だけ食べてやり過ごしていた。
 盗みを失敗した時には死の淵を彷徨う程殴られた。血を吐いて咳き込んでもお構いなし。
 ある日、2日連続で盗みをした日、母は静かに、此方へ近づいて、殴るのでも、蹴るのでもなく、首を絞められた。息をしようと、必死にもがく。

_いたい、くるしい、やめて、やめてよおかあさん

 酸素が回らなくなって、意識が遠のくなか、最後に聞こえたのは、

__________お前なんか、生まれてこなければ良かった!!!

 ああ、私、このまま死んじゃうのかな。
 そこで私の意識は途切れた。

ーーーーーーーーーーーー

 目を覚ますと、真っ白な天井。体を起こすと、清潔そうなベッドに寝ていた。
 幸せなこと、なはずなのに、私の頭の中は恐怖でいっぱいだった。

「…2人が、居ないッ………」

 母に殴られるより、知らない所にいる方が怖かった。
 母に蹴られるより、2人と離れ離れになる方が怖かった。
 母に首を絞められるより……独りぼっちになる方が怖かった。

 ………きっと、神様は私が嫌いなんだ。…だから、私は一生幸せになれないんだ。

 そう、絶望に暮れていると、部屋の扉が開いた。

「おや、起きていたのかい。」
「……だれ、」
「そんなに怖がらなくても大丈夫、私は君のお母さんのように君に暴力を振るったりはしないよ。」
「………ほんと?」
「本当だとも。…ああ、そうだ、君の弟くんと妹ちゃんも此方で保護したから、安心しておくれ。」
「!!……ありがとう、ございます…」


 この人は、本当に自分達を……救ってくれるかもしれない。



_____そう、思った自分が、馬鹿だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂︎
作者「というわけで、ファンタズマが結成される前のお話、「episode 0」シリーズ、開幕でございます!本編の方の更新と併せて書いていく為、更新頻度は低いですがご容赦ください。おつネコ〜!」

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アカネコ - 柊真白さん» 真白さんコメントあざます!更新頻度超低くなりますが、何卒……てかテンション高() (10月20日 21時) (レス) id: cb68d1fab7 (このIDを非表示/違反報告)
柊真白(プロフ) - うぉぉぉぉ更新されとるぅぅぅぅ! (10月20日 17時) (レス) @page3 id: 189c6ed71f (このIDを非表示/違反報告)
アカネコ - 柊真白さん» リクエストありがとうございます!!了解しました!! (8月17日 22時) (レス) id: cb68d1fab7 (このIDを非表示/違反報告)
柊真白(プロフ) - リクエストいいですか?ファンタズマのみんなの裏話を知りたいです。両方更新頑張ってください! (8月15日 23時) (レス) id: 189c6ed71f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカネコ | 作成日時:2023年8月9日 22時

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