会いたいよ (ページ11)

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11[健人side] ページ11

健『A、夜ご飯まだだよね？』

「うん、食堂に行こうと思ってたところ」

健『うちの学校の食堂さ
毎日ほとんどおんなじメニューなんだよ』

くすっと笑うAを見てホッとした。

健『だからさ、俺達と一緒に食べようよ』

「…いいの？」

健『もちろん。
だって幼馴染だろ、俺達』

「ありがとう！すっごく嬉しい」

会ってすぐにこうやって話せるのは
小さい頃に毎日のように
遊んでたからだと思う。

健『会ったのって俺と松島と、勝利？』

「うん。大人っぽくなってて
びっくりしちゃった」

健『それはAも同じだろ』

「私は何も変わってないよ」

笑いながら言っていたけど、
その表情はどこか寂しそうだった。

Aが引っ越したあの日から今まで

Aがどういう生活をしてきて
どんな出会いがあったのかはわからないけど

今またこうやって会えたからこそ
大切にしてやりたいって思ったんだ。

親に頼まれたからとかじゃなくて
今のAを見て素直にそう思った。