夢のまた夢。 ページ25
夢を見た。
初めてジェノの存在を知った時。
現実なのか夢なのか、それすらも分からなくなってしまった感覚を思い出して涙を流した。
そんな私を見兼ねたジェノは、テレビの画面から飛び出してきて、私にそっと囁く。
愛してると…
「…夢か、」
目が覚めると、誰もいない寝室だった。
久しぶりに夢に登場したジェノは、私の変な妄想も混ざってしまいおかしな事になっていた。
ジェノの声がまだ頭の中に響いている。
彼の"愛してる"が、私の心に染み渡っていく。
今日は彼とのデートの日というのもあり、急に夢に登場して来たのだろうが
私の中で勝手に作られたジェノに過ぎない。
きっとまだ、私達は愛してると言い合う仲ではなく
好きだと言うところから始まるだろう。
それでも、一度夢の中で聞いてしまった彼の甘い声が離れる事はなかった。
それはデート中も変わらない。
彼の家に入るとすぐに、上着を預かるよと声が掛かった。
…そう、その優しい声で私を愛してると…
「ありがとう、」
JN「いいえ、とんでもない」
適当に座って、と彼は無愛想に呟く。
いつもの雰囲気とはまるで違った彼の姿に少し戸惑いつつも、ソファの端に座れば彼も私の隣にドスンと腰掛けた。
何も音のない部屋の中、辺りをキョロキョロと見渡すばかりの私を
何してんだと言わんばかりの顔でクスリと笑い、「気まずい？」と伺うジェノと目が合う。
「いや…なんというか、家広いなぁって」
JN「…、笑」
"そのソファ、ダラーンって座るやつ
"あ、そうなの… こんな感じ？
"…もっと身体の力抜いて、笑
住む世界が違うとはこういう事かと思い知らされた私だが、彼は表情が緩んでいくのが見えてホッとした。
何気にしっかりとしたデートさえ初めてなのに、それが家だなんてなかなかハードではあるなと感じていたから。
ソファの座り方うんぬんで完全に気まずさが抜けてからは、いつも通り楽しんだ。
私の話をうんうんと聞いてくれる彼も、会社がどうだと話す彼も
全部が大好きだ。
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pkpk(プロフ) - ぱるむむさん» ぱるむむさん、こんにちは☺️ 嬉しいお言葉ありがとうございます✨ 緩やかな更新ではありますが、最後までお楽しみいただければと思います💕🙇 (1月16日 15時) (
レス) id: 2aba72ea6d (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむむ(プロフ) - こんにちは(^^)このお話とても面白くて大好きです！これからも更新楽しみにしてます♡ (1月16日 14時) (レス) @page10 id: 0ab191d9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pkpk
| 作成日時：2023年12月31日 22時
