約束。 ページ22
走り出した足は止まらない。
急ぐように向かう先は、彼のいる場所だ。
何も考えずに事務所へと入っていくと、彼が急ぐように玄関先まで来ているところに鉢合わせた。
彼は周りを見渡せば私の腕を引いて個室へと急がせた。
冷静に考えれば、誰かに見られると大変な事だ。
「ごめん、私… ジェノの事しか考えられなくて…」
息の切れた身体は新しい空気を欲しがっていて、頑張って息を吸うように信号を出しているのに
目の前の彼が私を見つめるせいで、その信号は上手く脳まで到達しない。
JN「走って来るなんて危ないじゃん… 転ばなかったの？」
私の身体に傷がないか確認し、何もないのを彼が目で見て安心していた。
安堵からのため息さえも様になってしまうのは何故？
一度目が合ったら逸らすことが出来ないのはどうして？
JN「…好きだからだよ、全部。」
「…うん、」
JN「好きだから、良いところだけ見て欲しくなった。」
「…うん。」
「でも、そしたら誰がジェノを慰めるの？」
JN「…それは、」
彼の心の中に潜む辛さや寂しさはそう簡単に誰にでも見せるようなものではない。
だからこそ、今までもずっと寄り添って来たように
その関係はずっと同じままがいい。
お互いに寄り添えるように…
「…そのために私がいるんだよ？
私達がちゃんと生きていけるように、出逢ったんじゃないかな。」
彼の瞳は揺らぐことなく、私を見つめていた。
そうだね…と小さく呟いたその唇は
その後少しだけ違う形を見せた。
"好きだよ"
そう動いて間もなく、私は瞳を閉じた。
彼を感じて幸せに浸った。
腰に手を当てて優しく引き寄せられれば、今までにないくらい距離が近くなって
彼の髪やまつ毛、香りまで
私が知らなかった事が脳内にインプットされていく。
JN「…でも、事務所に来るのは危ない。」
「はい、ごめんなさい…」
いくら特別な関係だからって、やっていい事と悪い事の区別が付く頼もしい彼と
一緒に歩いていく未来が見えた気がします。
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pkpk(プロフ) - ぱるむむさん» ぱるむむさん、こんにちは☺️ 嬉しいお言葉ありがとうございます✨ 緩やかな更新ではありますが、最後までお楽しみいただければと思います💕🙇 (1月16日 15時) (
レス) id: 2aba72ea6d (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむむ(プロフ) - こんにちは(^^)このお話とても面白くて大好きです！これからも更新楽しみにしてます♡ (1月16日 14時) (レス) @page10 id: 0ab191d9fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pkpk
| 作成日時：2023年12月31日 22時
